東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

目黒虐待死 父親に懲役13年 地裁判決「食事制限・暴力、理不尽」

船戸雄大被告

写真

 東京都目黒区で昨年三月、両親に虐待された船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5つ)=が死亡した事件の裁判員裁判で、東京地裁は十五日、傷害や保護責任者遺棄致死などの罪に問われた継父の雄大(ゆうだい)被告(34)に、「しつけからかけ離れた食事制限や暴力を理不尽に行った」として懲役十三年(求刑懲役十八年)の判決を言い渡した。

 守下実裁判長は判決理由で、雄大被告が香川県から上京した後の昨年二月以降、結愛ちゃんに常習的に暴行し、同月下旬には「執拗(しつよう)で強度な暴行をした」と非難。一カ月余りで体重の四分の一が失われた食事制限は「明らかに苛烈だ」と批判した。

 判決では、医療措置を受けさせる責任が生じたのは、雄大被告が「(体重が)一二キロ台はやばい」と漏らしていたことなどから、死亡の三日前ごろだったと認定。死亡前日までは危険を認識していなかったとする雄大被告の主張を退けた。

 その上で、「児童虐待事案に対しては従前にも増して厳しい非難が妥当」として、過去の同種事件で最も重い刑と同等の量刑にしたと説明した。弁護側は懲役九年が相当と訴えていた。

 判決によると、雄大被告は昨年二月下旬、結愛ちゃんの顔を多数回殴るなどしてけがをさせた。同二十七日ごろには、嘔吐(おうと)するなど極度に衰弱していたのに、元妻の優里(ゆり)被告(27)=一審で懲役八年判決、控訴=と共謀し、虐待の発覚を恐れて病院に連れて行かず、三月二日に肺炎による敗血症で死亡させた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報