先週末(10/7)に行われたイベント、'UX Engineer Meetup' に行ってきたので、その感想を書きます。
イベント概要
- 'UX Engineer Meetup'
- twitterハッシュタグ: #uxe_meetup
- 主催: Goodpatch Inc.
- 概要
近年、エンジニアでありながらもデザイン領域へ越境し、独自の価値を提供する人たちがいます。 しかし、その役割は組織やプロダクトによって様々であるためにイメージは定着しておらず、具体的に何をしているのか、よく分からないと感じる人も多いのではないかと思います。 今回はUXエンジニアとして活動している人たちが、どのような価値観を持ち、どのような活動をしているのかを共有することによって、同じような価値観を持つ人たちに向けて、ざっくばらんにナレッジや悩みを共有し合う場にしたいと考えています。
なぜこのイベントに行ったのか
いくぞと思ったきっかけは、今年の5月にあった 'InsideFrontend #3' で 'デザインエンジニアとフロントエンド 'という話があり、その中でデザインエンジニアやUXエンジニアに触れてたから。そっからずっと気になってた。
(イベントに参加する前は デザインエンジニア ≒ UXエンジニア の気持ちだった)
気になっていたというのも、自分自身、デザイナーをするつもりでweb業界に入ったが、いつの間にかフロントエンドエンジニアをすることになり今に至っており、つまりおそらくデザインに関して未練があるし、デザインする気満々だからだと思う。
そこで話されていた、「デザインエンジニア」とは下のベン図みたいな感じで、デザインとエンジニアリングのスキル・知識を持っていて、デザイナーとエンジニアの間のギャップを埋める人、仲介をする人的な話がされていた。
自分もそんな感じの事したいと考えていたが具体的にどう動くのかとか、どう動くのかみたいなことがよくわからなかったので、みなさんいかがですかを聞きに参加した。
具体的には「デザインシステム」どう運用してるとか、その旨味みたいなの聞けるかなとか他にどういう事するんだと思って参加した。
ちなみにこのイベント、connpassで参加募集してて、参加枠70名に対して224名応募あってた。3倍か...
みんな関心ある領域なんや...
本題
会場は主催のグッドパッチさんのオフィスだった。おしゃれオフィスだったまず開始前の乾杯/アイスブレイクでの質問「本日、UXエンジニアの方どのくらいいます?」で会場にいるUXエンジニアがイベント関係者(LT登壇者)しかいないとういう衝撃の事実からスタート。
みんな、ニアリーUXエンジニアだったり、これからなる人とかなんだろうな。おれもだ...
一人目「私はいかにしてUXエンジニアになったのか」(谷さん@hiloki)
発表資料はこちら https://note.mu/hilokit/n/nf04aac6bb0fb
「UXエンジニアとは何者なのか」という、あの場にいたみんなが知りたかった内容について「私は」という視点の話だった。 個人的には、「UXエンジニア」が職種としても責任や求められることが曖昧なため職責範囲を明らかにしないままだと、「なんでも屋」や「器用貧乏」のような、悪い意味でのジェネラリストになってしまう というのがかなりグッときた。かなり共感した。 これに対しての答えが、この発表の内容だったのかなと思った。(実際にこういうマインドでこんな仕事してきたよ的な話)
そして「デザインシステムは、プロダクトを提供するプロダクト」から派生してデザインシステムのUXを考えたときの「デザインシステムがシステムユーザーがよりよい開発をおこなうためのツールや仕組み。」であるっていうのが結構キーになってるっぽい。
まとめもすごく共感できる感じだった。
UXエンジニアの役割としてデザイン、エンジニアリングの面から開発の質を上げてゆく的なことが個人的にしっくり来た。具体的にどういう行動に映るか的なことは、これを軸にこれから考えたい。
二人目「プロトタイプドリブンなデザインを実現する考え方と環境」(重田さん@sagaraya)
発表資料はこちら https://speakerdeck.com/sagaraya/prototype-driven-design
プロトタイピングの重要性はいろんなところで話されているが、実際にやるのは難しいよね(特に実装ベース、コードベースのプロトタイピングはさらに難しいよね)の話から始まり、「実際にこんな感じでプロトタイピングを導入した開発をしています」の話だった。
クックパッドの強さ(お金的パワー、組織の規模)を痛感した。
プロトタイピングをするにおいて「エンジニアとしての常識を捨てる」というのがかなり印象的だった。実装ベースのプロトタイピングを行う上での(成功に近づける上での?)心得的なものだったが、エンジニア的な思考「保守性など」を全て捨て去りデザイナ的な思考「使いやすさや体験によって価値やコンセプトを伝えられるか」に振り切るべしというもの。
話を聞いてみればそりゃそうだよなという感じだったが、実際今の自分の職場で同じことができるかというと、厳しそう。パワー的にも難しそうだし、そのパワーを使うことを承認させるのも難しそう。
機会があった時に実践出来るように、心の片隅においておく。
確かにこれはエンジニアではなく、UX(を優先するべく動く)エンジニア。(やりたい楽しそう)
あと「プロトタイピング = セッション」とか、プロトタイピングの際に仕様を固めすぎない → スキルとして「いい感じ力」が求められる とかなかなかホットだった
三人目「不確実なソフトウェア開発におけるUXエンジニアの意義と役割」(大角さん@cawpea)
発表資料はこちら https://speakerdeck.com/masakiohsumi/bu-que-shi-nasohutoueakai-fa-niokeruuxensiniafalseyi-yi-toyi-ge
最後は主催のグッドパッチさんから大角さんの発表だった。
と言いつつ前二人も元グッドパッチで全員グッドパッチ関係者だった。 このイベントは『グッドパッチが「UXエンジニア」って職種があるんだぜ』って言うイベントだった。
話の内容的には、一人目の谷さんの話と方向性同じ感じでグッドパッチ目線。
昨今のソフトウェア開発における、開発の現場での職種ごとの専門性が高度になってきたことによる職種間(デザイナとエンジニア)の専門性の谷に対してどうするか的な話だった。
要はその間を埋めたり橋をかける人が必要で、それがUXエンジニアで、なぜ必要かというと、多くの不確実性に囲まれた状態でより良いUXを生み出すため。つまりよく分からない課題に立ち向かうために、職種間の橋渡しを行いお互いに歩み寄れる状態を作る。
実例として、グッドパッチでの取り組みの概要が紹介された。スライド見るべし このページ以降
まとめの一文の『 問題は「職能と職能」「プロダクトとユーザー」の”間”に発生する』に対する、UXエンジニアの役目が大事そうと感じた。
懇親会とまとめ
三人の話を聞いて三人それぞれUXエンジニアがあり、やはりはっきりとコレだっていうのはない職種、役割だなと感じた。 UXエンジニアはこれだ的な図が色々あった
また、最初にこれに行くきっかけで「デザインエンジニア」について少し出たが、「デザインエンジニア ≒ UXエンジニア」とも言い切れなさそうな気がした。というのも二人目の重田さんの話で「UXエンジニアとはデザイン思考で動くエンジニア」みたいな印象だったので。
UXエンジニアとは
イベント参加してみての自分なりのUXエンジニアを考えてみる。 まず第一に思い浮かぶのは、最初に想像していて、発表者も言っていた「デザイナとエンジニアの仲介的な立場」。間に立つことで開発の質を上げるのと、プロダクトの質を上げるというのが役目なんだろうな思う。
間に立つ、橋渡しをする、境界をなくすみたいな役割だけど、やることや方法は色々ありそうで、両者の調整役だったり、片方に対するうもう一方領域の先生的役割だったり、プロトタイピングする際の仮実装役だったりなのかなという感じ。組織やその人のスキルによって本当にやること変わってきそう。
ここでさらに細分できそうだけど、やめとく(しんどそう)。
次は、さっきも出した「デザイン思考で動くエンジニア」。プロトタイピングを行う際の心得的な話だったけど、そのほかのシーンでもこの思考が出てきそうな気がした。
また懇親会の時に「UXエンジニアは何を評価してもらいたい?」が話題になったが、デザイン力や技術的凄さを評価されてもUXエンジニアとしてはあまり嬉しくはなさそうと感じてしまったので、UXエンジニアとしての重要ポイントはそこのスキルではないのかなと感じた。(もちろんそこのスキルは必要)
個人的には「エンジニア、デザイナ間の境界を取っ払う的なことをして、プロダクトやチームに好影響を与えられた」みたいなことを評価されるのが嬉しいと感じそう。
このイベントで、「UXエンジニアとは何か」「どういう働きが求められるのか」「どういうマインドセット、スキルが必要か」みたいなのがぼんやり見えたような気がする。ぼんやりなので「かも?」くらいの文章にとどめておくけど、多分この記事読み返したらぼんやり浮かぶと思う。
まとめ
まとめとしては
プロトタイピング、プロトタイピング、そんなにさくっとできないよなあ...やりたいけど