りゅういちくんとこで人生ゲーム

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自伝的小説続き

ボロアパートのすぐ近くに

当事1000万で家を建てた、

社長の息子で年下のりゅういちくんがいて

みんなでりゅうちゃん、りゅうちゃん

呼んでいた。

そこの家でみんなでお兄ちゃんと

やっちゃんとまもちゃんとわたしと

りゅうちゃんで人生ゲームをやった。

外国の紙幣をミニチュアにした精巧にできた

オモチャの紙幣。

見るだけでぞくぞくした。

短距離で近道で行こうとすると

大破産、借金地獄になって

ゴールイン。一度そんなことがあった

やっぱり遠回りしてでも着実な方を

選んで幸せにならねば

一度こどもを荷台一台に乗れないくらい

人生ゲームで授かり、みんなから

お祝い金を奪い取り

百万長者になって一番でゴールインした！

あの快感はいまでも忘れられない。

お金持ちになるって

こんなラッキー続きってこんなに

気持ちを高揚させるもの？

しかもこんな金持ちの家で。

わたしは金持ちになるんだと

内心思った。

少なくとも今のこのボロアパートの

阪大医学部助手のポストをいつやめさせられるか

わからないボロアパートで荒れてばかりいた

父との勉強机さえないみかん箱の

勉強でそれなりにこどもだから幸せだったが

こども心に金持ちってこんなに

素敵と思った。

家では出してくれない

ジャイアントコーンのアイスクリームを

りゅういちくんの家では

みんなに出してくれた。

金持ちになるんだ。

わたしはほんとにそう思った。