この記事の監修者
税理士 近藤洋司
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- 1 非課税ポイント1 相続税がかからない財産とは(非課税財産)
- 2 非課税ポイント2 相続税の基礎控除とは?(相続税の非課税枠)
- 3 非課税ポイント3 死亡保険金と死亡退職金の非課税枠(みなし相続財産)
- 4 非課税ポイント4 相続人が多いほど非課税枠は多い
- 5 非課税ポイント5 配偶者が控除で1億6000万円又は法定相続分までの相続する財産は非課税(相続税の配偶者控除)
- 6 非課税ポイント6 相続人が未成年者の場合、障害者の場合には、税額控除額により相続税が非課税になる場合もある(未成年者控除、障害者控除)
- 7 非課税ポイント7 借金があった場合に相続財産からマイナスできる(マイナスの財産)
- 8 まとめ
- 9 この記事の監修者 税理士 近藤洋司
相続税は相続や遺言によって遺産を取得した場合に、その取得した財産に相続税がかかります。
ただし、相続税には基礎控除という考え方があり、遺産の総額が基礎控除を下回る場合には相続税がかかりません。
課税がされないことを「非課税」といいますが、相続税を計算するにあたって「基礎控除」以外にも相続税の対象にならない非課税枠が設けられています。
相続税を多く払いすぎないためにも、この非課税枠をしっかり把握していきましょう。
非課税ポイント1
相続税がかからない財産とは(非課税財産)
相続税は、基本的には被相続人(亡くなった人)の名義になっていた財産すべてにかかると考えてよいでしょう。
どの時点での財産かという基準は「被相続人の死亡時」ということになります。ただ、これには例外があり、その財産の性格上、課税するのにふさわしくないものとして相続税の対象にならないものもあります。
これを「非課税財産」といいます。非課税財産が定められている理由として、お墓、仏壇のような祭祀財産、お葬式の費用など、その財産の性格上、課税対象として適さないことが挙げられます。国や地方公共団体、特定の公益法人等に相続税の納付期限までに行った寄附についても非課税になります。
ただ、投資目的として所有している金の仏像や骨董品などは、祭祀用ではなく投資目的とみなされるため、課税対象になります。
非課税財産
| 日常礼拝をしているもの | 死亡前から所有していた墓地・墓石、霊廟、仏壇、仏具等※純金製の仏壇や骨董品など高価なものは除く |
|---|---|
| 寄付財産 | 相続税の申告期限までに国または地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定法人に寄付したもの |
| 公益事業用の財産 | 寺社の境内地など、公益を目的とする事業に使われることが確実なもの |
非課税ポイント2
相続税の基礎控除とは?(相続税の非課税枠)
相続税は、相続全体から見ると1割未満という限られた人に課せられる税金です。これは、相続税の趣旨が「富の再分配」という考え方であるため、相続財産が少ない人にまで税金を課すのは妥当ではないからです。
この一定範囲の非課税枠を「基礎控除」と呼んでいます。
相続税の税率は、相続財産にそのままかかるわけではありません。相続税には一定範囲の相続財産に対しては、相続税の基礎控除によりすべて非課税となる扱いとなっています。よって、相続税がかかるのは、この相続税の基礎控除を超えた範囲ということになります。それでは、相続税の基礎控除の範囲についてみていきます。
相続税の基礎控除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の計算式で算出されることになります。それでは、具体例を見ていきます。亡くなった方に、配偶者と子供が2人いたとします。この場合、「法定相続人の数」は3人となりますので、相続税の基礎控除は、3,000万円+600万円×3=4,800万円ということになります。ということで、算出された額が4,800万円を超えた場合にはじめて相続税がかかることになります。
非課税枠となる基礎控除額の改正(平成27年1月1日より)
非課税枠となる基礎控除額の改正(平成27年1月1日より)
基礎控除は、平成26年より以前は5,000万円+相続人の数×1,000万円に設定されていました。しかし、バブル崩壊後、日本の地価はどんどん下落し、それに伴ってある程度の不動産を持っている人でも相続税の基礎控除の範囲内に収まってしまうことが多くなりました。
よって、相続発生件数全体に対して2%から3%程度しか相続税は課税されない状態になっていたのですが、より一層の税収を確保するために平成27年1月1日を境に、基礎控除がそれまでの6割である3,000万円+相続人の数×600万円まで引き下げられたのです。
これによって、東京や大阪などの大都市を中心として相続税の課税対象が大幅に増加しました。
非課税ポイント3
死亡保険金と死亡退職金の非課税枠(みなし相続財産)
「みなし相続財産」というのは、民法の上では遺産扱いにならない、つまり遺産分割協議の対象ではないが、税法上は相続財産とみなされる財産です。
具体的に言えば、「生命保険の死亡保険金」と「死亡退職金」の2つです。受取人が相続人の誰かに指定された保険金は、被相続人が亡くなった瞬間に相続人の「固有の財産」になりますので遺産分割の対象外です。しかし、被相続人の死亡によって承継された財産と考えることができるので相続税計算の際には財産に算入することになっています。同じようなことから死亡退職金もこのような扱いをされています。
みなし相続財産については法定相続人の数×500万円という非課税枠がありますので、これを有効に利用すれば節税もできると同時に納税資金を準備しておくこともできるという点で、非常に使い勝手の良い制度といえます。
計算式
みなし相続財産の非課税限度額の計算
生命保険の非課税限度額(非課税枠)=500万円×法定相続人の数
死亡退職金の非課税限度額(非課税枠)=500万円×法定相続人の数
詳しくは、生命保険・死亡退職金の相続税計算の記事をご参考ください。
非課税ポイント4
相続人が多いほど非課税枠は多い
相続税は、相続人の数によって税負担が変わってくることが上記の「基礎控除」の設定の仕方を見てもわかることでしょう。基礎控除額が増えるということのみならず、相続人の人数が多いことによって「税率」が下がるということもあります。これは、各相続人の「法定相続分に応じた取得金額」が小さくなるので適用される累進税率の区分が変わることによるものです。
「みなし相続財産」としての生命保険金や死亡退職金の非課税枠も、相続人の人数が多ければ多いほど増加します。
(単位:万円)
| 法定相続人の人数 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 | |
| 基礎控除額 | 3,600 | 4,200 | 4,800 | 5,400 | 6,000 |
| 生命保険金の非課税限度額 | 500 | 1,000 | 1,500 | 2,000 | 2,500 |
| 死亡退職金の非課税限度額 | 500 | 1,000 | 1,500 | 2,000 | 2,500 |
| 合計 | 4,600 | 6,200 | 7,800 | 9,400 | 11,000 |
上記表のように法定相続人の人数で相続税の非課税枠は大幅に変わって来ます。
そのため、養子縁組をして相続人を増やすというスキームも節税のためにはよく使われます。ただ注意しなくてはならないのが、税法上では法定相続人に含める養子の人数に制限があり、実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までと定められています。
また、養子というのは身分関係に関することですので、むやみに節税を狙って養子縁組をすると親族の間の感情的なもつれが発生する危険があることに注意しなくてはなりません。親族関係が悪くなれば遺産分割協議がまとまらない、ひいては子孫の代にまで関係の悪化が影響したり、税金面を見てもしかるべき税額軽減を受けられなくなったりする事態が考えられますので、よくそのあたりを考慮した上で縁組するべきです。
非課税ポイント5
配偶者が控除で1億6000万円又は法定相続分までの相続する財産は非課税(相続税の配偶者控除)
「相続税の配偶者控除」を使って相続税がかからない場合
亡くなった方の配偶者が実際に受け取る遺産の金額が1億6000万円まで、又は法定相続分の範囲内であれば相続税はかかりません。
実際に受け取る遺産については、遺言がある場合、法律よりも優先されるため、実際に受け取る金額と法定相続分が異なるケースがあるのです。
この配偶者控除を使う場合には、相続税の申告期限までに、配偶者の方の相続分を計算した上で申告書を提出する必要があります。
相続税の配偶者控除とは?
配偶者が財産を相続する場合、評価額が1億6000万円、もしくは法定相続分までは非課税になります。
実際に相続する金額が1億6000万円、又は法定相続分以下なら
相続税は0円
■実際に相続する金額が1億6000万円超の場合、
法定相続分までは相続税はかからない、法定相続分を超える場合には超える部分に対して相続税がかかる
相続税の配偶者控除については、「配偶者には相続税がかからない?配偶者控除で1.6億円まで無税!」の記事をご参考ください。
非課税ポイント6
相続人が未成年者の場合、障害者の場合には、税額控除額により相続税が非課税になる場合もある(未成年者控除、障害者控除)
また、相続人の中である属性を持つ人については税額が控除されます。
(1)未成年者控除
1つ目は「未成年者控除」で、20歳までの養育費は遺産から出すべきという考え方から、満20歳未満の相続人は、10万円×満20歳になるまでの年数(1年未満の端数は切り上げ)で計算した金額を控除できます。
(2)障害者控除
2つ目は「障害者控除」で、国内に住所があり障害を持つ相続人は、通常の障害の場合は10万円×満85歳になるまでの年数(1年未満の端数は切り上げ)で計算した金額、特別障害者(特に重度の障害を持つ人)の場合は20万円×満85歳になるまでの年数(1年未満の端数は切り上げ)で計算した金額を控除できます。
「相続税の基礎控除を超える」
「未成年者控除あるいは障害者控除の適用後は相続税は0円になる」
といった場合は配偶者の税額控除と違い、申告の必要はありません。
未成年者控除や障害者控除という税額控除について、知らなかったという人も多いはずです。
しっかりと控除条件を把握し、考慮したうえで申告の可否を判断するようにしましょう。
参考 >>
非課税ポイント7
借金があった場合に相続財産からマイナスできる(マイナスの財産)
相続財産というのはプラスの財産だけでなく、借金(負債)も含めて相続財産になります。
そのため、相続税の課税財産を計算する上で、負債を差し引くことを忘れてはなりません。事業をやっている自営業者などの場合、個人の負債金額が多いケースが多く、相続税の金額に大きく影響します。
負債額によっては、プラスの財産と差引をしても借金が残ることもあり「相続放棄(相続開始を知ってから3カ月以内に家庭裁判所に申述しなければならない)」の必要があるかの判断にもかかってくるため、マイスの財産を正しく把握することは非常に重要といえるでしょう。被相続人が生前に購入したお墓の未払代金など「非課税財産に関する債務」は、マイナスの財産にならない点にも注意しましょう。
参考 >>
まとめ
いかがだったでしょうか?非課税枠をうまく活用できれば、大幅に税額が軽減でき、場合によっては相続税を0円にする場合もありますので、控除関係はしっかりとチェックしましょう。
この記事の監修者 税理士 近藤洋司
相続サポートセンター(ベンチャーサポート相続税理士法人) 税理士。昭和60年生まれ、愛媛県出身。
大学卒業後、不動産会社に就職。その後、税理士業界に転職。
評価する税理士によって差のでる、不動産の評価に強い。「全く同じ不動産はない」が口癖。わかりやすく、丁寧な説明でお客様からの信頼も厚い。
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