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太くてブスな聖女様は愛を信じない。 作者:星馴染
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兄(美形ショタ)を嫌いな人はいないと思う。

開いていただきありがとうございます!

 トイレから出て美形の兄をジト目で見る。

 ふわさらの髪。

 透き通るような肌。

 可愛らしい顔立ち。

 まだ子供なのに、そこそこ筋肉がつき、つるっつるの足を出したズボンを履いている。

 人生を捨ててまで欲しがるだろう、子供らしさに似合わない色気と魅力。

 残念ながら写真や絵でお伝えする事はできないが、これは良いものだった。


 段々とはっきりしてきた頭で、今の状況を整理してみる。

 私はどうやら前世の記憶が蘇ったらしい。


 前世名、武木(ぶき) (りょう)

 17歳、女子高生だった。


 今の名前は、セシリア=ビュリ。

 ビュリ侯爵家の長女だ。


 父、キーン=ビュリ。37歳

 母、ミル=ビュリ。32歳

 兄、ノートン=ビュリ。10歳

 弟、イースラー=ビュリ。6歳

 私、セシリア=ビュリ。8歳


 私以外は全員美形だ。


 図で表すならこうか?


 父、母、兄、弟

 ========越えられない美形の壁

 ========越えられない普通の壁

 私


 前世の私にカラコンとブリーチで簡単に再現可能。

 無駄なクオリティだ。劣化してないだけマシだと思おう。


 えっ、どこを縦読みかって?


 家族を年齢順に縦に並べて一文字目。


 『キミノセイ』


 私のせいかよ。


「どうしたの、セシリー?」

「……何でもないです」

 実の兄に美貌で嫉妬したなんて言える訳が無い。


「良かったよ、僕の可愛いセシリーが元気になってくれて」

 何なの?嫌味なの?

 可愛いって、不細工なぬいぐるみをに抱くような可愛いなの?

 家族補正かかりまくりなの?


 フイと顔を逸らすと、兄はすごく悲しそうな顔をした。

 ショタコンではないが、ショタ美少年を苛めたような罪悪感を感じた。


 目を逸らしたのは、兄の容姿への嫉妬もあるが、恥ずかしさもある。

 すらりと伸びたつるっつるな美形ショタの脚。それも短パン。

 見たいけど、見るのが恥ずかしい。


 そんな複雑な気持ちもあった。

 男子が女子のパンチラを見る時もこんな気分なんだろうか。


 本当につるっつるのきれいな脚だなぁ……。

 私は自分の脛を見てみる。まだ八歳だから目立ちはしないが、金髪の産毛

が見えた。まだセーフだがあと数年も立てば処理しないと脚を出せない身体になる未来が見えた。


「セシリー、僕の事きらい?」

「……きらいじゃない」

 美形ショタを嫌う女なんてこの世に存在しないだろうに。

 私のきらいじゃない、という一言に、無邪気な笑顔を浮かべ、手を差し出す兄を眺めて目の保養をして部屋に戻った。

読んでいただきありがとうございました!

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