札幌と川崎が決勝に勝ち進み、10月26日に埼玉スタジアムで対戦する。札幌はFW鈴木武蔵(25)のゴールでG大阪に1-0で競り勝ち、2戦合計2-2としてアウェーゴール数で上回って初の決勝に進んだ。初優勝を目指す川崎は2大会ぶりの決勝進出。鹿島と0-0で引き分け、第1戦に3-1で勝ったリードを守った。
勝てなかったが、決勝切符は譲らなかった。川崎にとって、盤石のスコアレスドロー。中村は「攻撃的な姿勢を貫き、決勝(進出)に値する戦い」と誇らしげだった。
後半43分、小林が左サイドを突破し、中村が放ったシュートはわずかに右へ。1分後には家長の右足シュートが左ポストをかすめた。「最後までゴールを目指して戦う」。シュート数は鹿島の6倍に当たる18本。合言葉を全うした結果だった。
台風19号の影響で当初の予定を変更し、前日12日午前に茨城県鹿嶋市内へ移動した。チームバスは強風で揺れ、練習は不慣れな人工芝で30分強だけ。準備は万端とは言えない。でも、「一日、二日でチームが崩れるとは思っていなかった」(鬼木監督)。絶対王者の自信が下支えしていた。決勝に進んだ過去4大会はいずれも準優勝。中村は「必ず優勝を勝ち取りたい」と“5度目の正直”へ力を込めた。 (松岡祐司)