読者の皆様は、最近、畳を購入されたり、張り替えたりされたことありますか? 筆者は3年ほど前に、ささくれ立ってきた畳の表面に耐え切れず、張替えを決意致しましたが、いざとなると、どこに注文していいやら、相場も分からず少々戸惑った記憶があります。
畳の国内の生産量を見ると、2005年には782万枚生産していましたが、2014年には367万枚と半分以下。近頃のマンションは、和室がないタイプの物件もあり、畳の需要は少なくなっているようです。
そんな中、ここ10年で売り上げを12倍に増やした、畳製造の会社が兵庫県伊丹市にある事をご存知ですか?「TTNコーポレーション」です。
・創業 1934年
・年商 65億円(グループ合計、2017年2月28日現在)
・社員数 383人(同日現在)
住宅の洋風化に伴い、右肩下がりの業界と反比例しての12倍ですよ!
一体、この10年に何があったのでしょうか? それは決して魔法を使ったわけでもなく、お客様からのひと言をヒントに不可能を可能にして急成長をいたしました。
その会社「TTNコーポレーション」の成功の秘訣を探っていきましょう。
【メソッド1】常識破りの(???)を“熱意”と“絆”で実現
【メソッド2】(???)を通じ、畳をより身近なものに
【メソッド3】(???)で畳の可能性を広げる
まず、メソッド1から見ていきましょう。
【メソッド1】常識破りの(???)を“熱意”と“絆”で実現
伊丹空港から車で10分ほどのところにある、TTNコーポレーション。
1934(昭和9)年の創業以来、畳一筋の会社です。会社は、日本各地に11の支店を構え、家庭向けの畳はもちろん、神社仏閣や旅館などの畳も手がけています。1日に製造する畳は2500枚で、年間90万枚以上にもなります。
日本トップクラスの製造量を誇るTTNコーポレーションですが、15年前までは、他の畳業者と同じく危機的状況でした。マンションが主役となり、洋室が増えたことで、フローリングが床材の主流になりました。水に強く、床暖房も可能なフローリングに対し、手入れが大変な畳の需要は、落ち込む一方でした。
四代目社長の辻野佳秀さんは振り返ります。
「経営が苦しい中、どこに行けば需要があるのかをずっと考えていたんです。そこで和食レストランの店長さんに言われたことがヒントになったんです!」
さぁ、そのひと言は何だったのでしょうか?
「閉店後に、畳の張替えができればいいんだけど……」
和風レストランなど、店舗での畳の入れ替えとなると、半日仕事。そのために、お店を休むことは、事業者としては当然避けたい事態です。となると、畳業者は店が閉まっている夜間に畳を引き取り、翌日の開店までに張り直して納品しなければなりません。すると、工場は24時間フル稼働になります。ありそうでなかった「畳の24時間張替えサービス」。そんなことができるかを、職人さんに辻野社長は聞きました。
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