貯金していても「お金の奴隷」にはならない方法

「コツコツ節約」だけでは幸せにはなれない

こんなに節約しているのに家計が苦しい、老後資金も増えない……という人は発想を変えてみませんか。自由なお金の使い方をしながら、必要貯蓄額を実現する方法がある(写真:msv/PIXTA)

無理な節約は、ストレスがたまる割に効果は小さいものです。私は「食費はいくら、交際費はいくら……」などと細かく設定して節約する方法は合理的ではないと、かねがね思っていました。

なぜなら、仕事が忙しいときに外食が多くなったり、タクシーを使って交通費がかさんだりするのは必然だからです。お金は単なる交換手段なので、便利さと交換していると思えば、外食に使うのもタクシーを使うのも合理的です。

しかし、会社員の田宮美希さん(仮名・34歳)は、「今月は外食が多くて、食費が大幅に予算をオーバーしてしまった。こんな調子だからなかなか貯蓄ができないんです……」と、困り顔で相談に来られました。私は「発想の転換をしましょう」と伝えました。

「じゃあ、どうすればいいの?」ということですが、今回、私がお伝えしたいのは「貯蓄分を除いた、毎月自由に使えるお金」を把握し、やり繰りしていく考え方です。結果的に、老後に必要な貯蓄額も実現する(手元に残る)ことになるのです。

必要貯蓄額をはじき出し、「先取り貯金」する

まず考えることは「先取り貯金」です。「え、なーんだ」と思った人も多いでしょう。そうですね。先取り貯金は、多くのファイナンシャルプランナーが提唱していますので、ご存じの方も多いと思います。でも、「毎月自由に使えるお金」でのやり繰りを考えるとき、必要貯蓄額をはじき出したうえで「先取り貯金」の金額を求め、そこから順番に考えていくことが大事です。

次ページ6つの数字を公式に当てはめて、必要貯蓄額を算出
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  • 阿井卯栄男d1c7e5e16494
    お金を貯めるコツは、「外食」「外飲」をしないこと。これに尽きます。嘘だと思うなら、今日からでも職場を終わったら真っすぐ帰るようにして、自炊を心がけて御覧なさい。スーパーで自炊用の食材を買い、ついでに酒屋に寄って好みのお酒を買う。

    多少、手間はかかっても、トータルで言えば自炊すれば食費は三分の一、居酒屋やバーに行かず酒屋で同じ酒を調達すれば、五分の一から十分の一になるでしょう。月給25万円の人でも、5万円は節約できると思います。

    自分で料理することや自分でお酒を選ぶことが楽しみになれば、たまに友達でも呼んでご馳走してやれば感謝もされるし、いいことづくめで貯金は増えていきます。お勧めします。
    up8
    down0
    2019/10/13 10:27
  • AJRAbdebf3631e11
    我慢するときは我慢する。
    そして、使いたいときにサラッと使える資金が傍にあればいい。
    up3
    down0
    2019/10/13 09:43
  • 如月五月ブログ6407c324596e
    そもそも、

    文末の
    >>人生の目的は、お金を貯めることではありません。
    >>お金を使うこともまた必要です。

    という視点から「おカネ」を論じるFPはあまり見かけない。

    「何とかして貯めなくては」というプレッシャーに圧される
    よりは、「自分に必要な一定額さえ確保すれば」あとは何に
    使おうが自由というのは、面白い視点だと思う。


    必要貯蓄率の計算式も参考にはなるのだが、あえて言えば
    「老後生活比率」や「平均手取り年収」は。変動要因が多くて
    正確な結果をはじき出せる人は、そう多くはない気もする。

    貯蓄の「置き場所」の3分類も考え方としては正しいが、
    その配分比率は年齢によってかなり異なる。
    配分例についても書いてくれれば有難かった。
    up3
    down2
    2019/10/13 08:48
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