今回は、ザ・マッカランの免税店限定ボトル、クエストを飲みます。

2万マイルの旅の末に見つけた樽材

macallan_quest_2018年より、ザ・マッカランは免税店限定のボトルとして、クエスト・コレクションをリリースしました。

これまでに職人たちが、マッカランにふさわしい樽材を求めて2万マイル以上を旅をしたと言われ、そうした先人たちの苦労に敬意を表す形で、クエストと名のつくシリーズをリリースすることとなったのです。

クエスト・コレクションは4種類あり、下位からクエスト、ルミナ、テラ、エニグマの順にラインナップされています。

今回飲むクエストは、バーボン樽を中心に、シェリー酒の熟成に使われたアメリカンオーク、ヨーロピアンオークの樽、そしてホグスヘッドの4種類の樽を使って熟成されたモルト原酒を使用しています。

クエストのパッケージには青空が広がるデザインになっていて、幾度も空を飛んで果て無き旅を続けてきたイメージになっています。

レギュラーにはないフローラルさが目立つ

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は赤みがかったアンバー、香りは濃厚なレーズンが鼻を通っていきます。

口に含むと、レーズンと共にバターの甘い香りが訪れます。その後はエスプレッソコーヒーやダークチョコのような濃い香ばしさが追いかけます。

味わいは、アルコールの辛みは少ない代わりに、ほろ苦さが主体になっています。

ロックにすると、レモンを思わせる爽やかな香りが揮発します。バターのような香りは抑えられ、レーズンの香りが強調されるように感じられます。その後には石けんを思わせるフローラルさが続きます。

味わいは、柑橘系の酸味が前に来る印象に変わり、苦味が加わって柑橘系の感じが強調されます。

最後にハイボールにすると、香りはレーズンと石けんが主体になります。特にレーズンは、濃厚なブドウの香りをしっかり残している印象です。

味わいは、比較的酸味が先立っていて、ほんのりとうま味も感じ取れます。

ノンエイジなれど、若さ故のアルコールの刺激は少なく、相当な熟成を経た原酒を使ったように思えます。
また、フローラルさが目立つなど、レギュラーのシェリーオーク、ダブルカスクと比べ、ホグスヘッド樽を使うことでのアクセントが生まれているように思えます。

1000mL、アルコール度数40度、価格は7000円ほど。700mL換算だと5000円弱ですので、レギュラーと比べてもお得感があると思います。

<個人的評価>

  • 香り B: レーズンバターからエスプレッソ。加水でレモン、石けんが顔を出す。
  • 味わい C: ストレートではほろ苦さが目立つ。加水されるたびにフルーツの酸味が増す。
  • 総評 B:マッカランらしさは薄いものの、ロック、水割り、ハイボールで楽しめる。