コンピュータとインターネットは現代のひときわ重要な発明に数えられるが、だれが作ったのかはあまり知られていない。
どちらも、雑誌の表紙を飾ったりエジソンやベル、モールスらと並んで殿堂入りしたりするにふさわしい発明家ひとりが屋根裏やガレージでなにもないところから生み出したわけではない。
むしろ逆で、デジタル時代の発明は、ほとんどがコラボレーションのなかから生まれてきた。そこには、独創的な人間や、少数ながら真の天才まで、魅力的な人間が数多くかかわっている。
〇先駆者、ハッカーや発明家、起業家たちはどんな人間だったのか?
〇なにを考えたのか、その創造の源がなんだったのか?
〇どんなコラボレーションが繰り広げられたのか?
〇チームとして働く能力が彼らの創造性をいっそう引き出したのはなぜか?
そうした人物のチームワークについて描くことが重要なのは、チームワークのスキルこそイノベーションの根幹であることが見落とされがちだからだ。
私のような伝記作家の手によって孤高の発明家として描かれ、神話化された人物が主人公の本なら無数にある。私も、そうした本を何冊か世に送り出してきた。