一面最強台風、上陸へ 潮位、過去最高の恐れ
大型で非常に強い台風19号は十二日、伊豆諸島近海を北上し日本列島に接近した。夕方から夜にかけて静岡県か関東に上陸する見通しで、東日本を中心に広範囲で猛烈な風が吹き、記録的な暴風や大雨の恐れがある。千葉県市原市では車が横転して一人が死亡、他に五人が負傷した。竜巻のような突風が原因とみられる。徳島県でも一人がけがをした。気象庁は大雨・洪水警戒レベルで最高の5に当たる特別警報を出す可能性があるとして厳重な警戒を呼び掛けた。 河川の氾濫や土砂災害、低地での浸水にも注意が必要だ。潮位は十三日明け方にかけて各地で高くなる。特に東海では過去最高潮位を超える可能性があり、沿岸部は高潮と波浪が重なり重大な災害が発生する恐れがある。 千葉県市原市の竜巻とみられる突風は午前八時すぎに発生。車の横転のほか、県によると、住宅一棟が全壊して子ども三人を含む計五人が負傷した。 また同県内では十二日朝に一時、約七十七万戸が停電し、東京電力が原因を調べている。 交通機関は、東海道新幹線の東京-名古屋間が始発から終日運休。首都圏のJR在来線も日中に順次運転を取りやめ、十三日昼ごろまで見合わせが続く見通し。 気象庁によると、十二日は静岡県南伊豆町で最大風速二五・六メートル、東京・八丈島空港で最大瞬間風速三五・〇メートルを観測。十日からの総降水量は静岡県伊豆市や神奈川県箱根町で四〇〇ミリを超えた。 台風は十二日午前十一時現在、八丈島の西約二一〇キロを時速約三〇キロで北北東に進んだ。中心気圧は九四五ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は四五メートル、最大瞬間風速は六〇メートル。 ◆海水温上昇、勢力維持か非常に強い台風19号は、記録的な勢力を維持したまま北上している。これほど台風が発達し、衰えにくい背景には、海水温の高さがある。専門家は「海洋の温暖化が進行している表れではないか」と指摘する。 台風19号が勢力を増した日本のはるか南海上は、海面水温が二九~三〇度と、平年より一~二度ほど高い状態が続いている。 この暖かい海域で、水蒸気をたっぷりと海面から補給され、一時は最高ランクの「猛烈な台風」まで発達した。 気象庁予報課は「水温の高い所を通ってくるため、なかなか勢力を弱めない」と説明している。 今、あなたにオススメ Recommended by PR情報
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