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技術・品質への
想い

世界最高の性能・品質を追い求めてきた
技術者の想い・HF120の構造・受賞歴について
ご紹介します。

小型ターボファンエンジン「HF120」の基本構造

Hondaは、ターボファンエンジンの開発にあたり軽量・出力・燃費・耐久性において世界最高の性能を目指しただけでなく、当時ビジネスジェット機用の小型エンジンには排出規制がなかったものの、大型エンジンに適用される排出規制を目標に設定しました。その実現に向けて、独自開発したHF118-2の技術とゼネラル・エレクトリック社(GE)のノウハウを融合し、クラストップの性能・環境性を実現したHF120を開発しました。※名称をクリックすると詳しい説明を表示できます。

ファンローター・ファンステーター

ファンローターは空力性能向上のためワイドコードスウェプト設計を採用し、軽量化と高強度化のためにチタン合金鍛造素材からブレードとディスクを一体で削り出すブリスク構造としています。ファンステーターも軽量化のためにカーボンコンポジット材料を採用し、前縁に耐エロージョン性向上のため金属薄板を接着しています。

低圧圧縮機・高圧圧縮機

低圧圧縮機はサイクル圧力比の向上と高圧系コンポーネントの小型化のため2段の軸流形式を採用し、高圧圧縮機は耐熱高強度チタン合金製の遠心式ローターとパイプディフューザー構造を採用して、CFD(Computational Fluid Dynamics)を用いた空力設計により高効率化を図り、燃費性能を向上させています。

燃焼器

燃焼器は、エンジンの軸長短縮のためにリバースアニュラー型としています。燃焼器壁面の冷却にはレーザー加工による斜めの穴を多数設けたエフュージョン冷却を採用し、燃焼に供与しない冷却用の空気をミニマムにするとともに構造のシンプル化を図っています。燃料ノズルは、エアブラスト形式として1系統で広い流量域をカバーすることでシンプル化と軽量化を図っています。
また、CVCCと同様なリッチリーン燃焼方式を採用することで、大型エンジンに適用されているエミッション規制をも満足しています。

高圧タービン・低圧タービン

高圧タービンは軸流単段を採用し、ブレード材料に第3世代単結晶合金を使用することでタービン入口のガス温度を上昇させてエンジンの小型軽量化と燃費向上を図っています。低圧タービンは軸流2段とし、高圧タービンに対してカウンタローテーション構造とすることで高圧タービン後流の旋回成分を有効に利用して、タービン効率を向上させています。

制御システム

制御システムは、FADEC(Full Authority Digital Engine Control)と呼ばれる冗長化されたデジタル電子制御装置を採用しています。あらゆる飛行条件下でエンジンの安全性と機能を保証しつつ、パイロットの意図通りの推力を出せるよう、燃料流量とブリードバルブを適切に制御しています。

差動ベアリング

差動ベアリングは、高圧軸の後部を支えるベアリングを一般的な静止フレームによる支持から低圧軸で支持する差動ベアリング構造に置き換えることにより、シンプルな軸支持構造として軽量化を図っています。

ミキサー

ミキサーは、ローブドミキサーの採用により、低圧タービンからの高温排気と低温のファンバイパス流を効率的に混合し、燃費向上と低騒音化を図っています。