日本のODAプロジェクト
中国
対中ODA概要
平成30年11月9日
1 対中ODAの基本方針
1979年以降,中国に対するODAは,中国の改革・開放政策の維持・促進に貢献すると同時に,日中関係の主要な柱の一つとしてこれを下支えする強固な基盤を形成してきました。経済インフラ整備支援等を通じて中国経済が安定的に発展してきたことは,アジア太平洋地域の安定にも貢献し,ひいては日本企業の中国における投資環境の改善や日中の民間経済関係の進展にも大きく寄与しました。中国側も様々な機会に日本の対中国ODAに対して評価と感謝の意を表明してきています。
一方,経済・技術も含め,様々な面で大きく変化を遂げた中国に対するODAによる開発支援は,既に一定の役割を果たしました。このため,2006年の一般無償資金協力終了及び2007年の円借款の新規供与終了以降,日本国民の生活に直接影響する越境公害,感染症等協力の必要性が真に認められる分野における技術協力,草の根・人間の安全保障無償資金協力などのごく限られたものを実施してきました。特に,技術協力については,日中双方が適切に費用を負担する方法も実施してきました。
2018年10月25から27日,安倍総理による中国訪問の際,日中両国が世界第2・3位の経済大国となった今,我が国が中国を一方的に支援するのではなく,日中両国が対等なパートナーとして,共に肩を並べて地域や国際社会に貢献する時代になったとの認識の下,対中ODAを終了させるとともに,開発分野における対話や人材交流等の新たな次元の日中協力を推進することを発表しました。この発表を受けて,対中ODAは2018年度をもって新規採択を終了し,すでに採択済の複数年度の継続案件については,2021年度末をもって全て終了することになります。
円借款2 対中ODA実績概要
対中ODAは,1979年に開始され,2016年度までに有償資金協力(円借款)を約3兆3,165億円,無償資金協力を1,576億円,技術協力を1,845億円,総額約3兆円以上のODAを実施してきました。
返済義務を課さないで資金を供与する援助。 当該ホームページにて掲載されているものは,一般無償資金協力に該当するもの。 | |
緩やかな条件(低金利,長期返済期間)による資金貸与。(基本的にアンタイド) 当該ホームページにて掲載されているものは,債務繰り延べ,留学生支援等を除いたもの。円借款とも呼ばれている。 | |
途上国の人々に対する技術の普及あるいはその水準の向上を目的として技術の提供を行うもの。当該ホームページにて掲載されているものは技術協力プロジェクト(注)に該当するもの。 (注)研修員の受け入れ,専門家の派遣,機材の供与を有機的に組み合わせつつ,効果的な技術移転を実施するもの。 |
過去のODA事業では,中国に道路や空港,発電所といった大型経済インフラや医療・環境分野のインフラ整備のための大きなプロジェクトを実施し,現在の中国の経済成長が実現する上で大きな役割を果たしています。