香山リカさんの名誉毀損で賠償命令 チャンネル桜側は控訴の方針

 

 インターネット配信された番組で名誉を傷つけられたとして、精神科医の香山リカさんが番組制作会社「日本文化チャンネル桜」と出演者に計500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は10日、番組での発言が名誉毀損に当たると認め、同社と出演者1人に計100万円の支払いを命じた。

 金沢秀樹裁判長は「事実と異なる印象を視聴者に与え、医師としての評価に影響を与えた」と指摘。チャンネル桜側は香山さんについて「そもそも社会的評価は極めて低く、番組内の発言では低下していない」と主張したが、退けられた。

 判決によると、2016年10月27日に「【沖縄の声】ヘリパッド反対派を初起訴、香山リカのツイートが法に触れる可能性あり」と題した動画を制作し、動画共有サイトで配信。出演者が香山さんのツイッターでの投稿に触れ、「千代田区の保健所から、どうも監査が入った」「医師法の違反が疑われて監査が入った」などと事実と異なる発言をした。

 香山さんは取材に「主張が認められて安堵した」と話した。チャンネル桜側の弁護士は「表現の自由を萎縮させる」と述べ、控訴する方針を示した。