三脚を選ぶ上で、多くの方が気になるのが素材ではないでしょうか。 最近ではカーボン三脚が主流となっていますから、アルミ製三脚と言えば 「重い」だけではなく、「古くさい」「安っぽい」といったマイナスな イメージを持たれている方もいらっしゃると思います。 でも「カーボン」って本当にそんなに良いものでしょうか? 皆様はカーボンのことをよく知っているでしょうか? まずはその辺りから探っていきましょう。 三脚で使われているカーボンとは「炭素繊維強化プラスチック (carbon-fiber-reinforced plastic)」です。通称CFRPと呼ばれています。 強化材に炭素繊維を用いた繊維強化プラスチックで、母材には主にエポキシ樹脂 が用いられています。CFRPとは呼ばず、単にカーボンと呼ばれることが多いです。 釣り竿やゴルフクラブ、テニスのラケットなどの方が歴史が古く、1990年代から 航空機、自動車などの産業用に用途が拡大しており、最近では建築、橋梁の 耐震補強など、建設分野でも広く使われているそうです。 特にオートクレーブという加圧可能な窯で成型されたもの(ドライカーボン)は 極めて強靱で、炭素繊維と母材(マトリクス)をあらかじめなじませてある部材 (プリプレグなど)をオートクレーブで加熱し硬化させます。生産工程が完全な 手作業で、大掛かりな設備も必要となるため、コストが高く、量産できません。 ドライカーボンで作られた三脚は現在、一般に販売されている製品としては おそらく存在しないと思います。 その他の成型方法で作られたものはウェットカーボンと呼ばれ、重量と強度の比は 一般的なグラスファイバー(ガラス繊維)と大差はありません。また三脚の分野に おいては生成方法や素材といった明確な表記の義務はありません。 実のところ、表面だけをカーボン繊維で覆ったものでも「カーボン製」と 表示して販売しても許されてしまうのです。 そういった振動吸収性の悪い、大して軽くも強くもない「エセカーボン製」の 三脚を掴んでしまわないように注意してください。 カーボンの最大の欠点は「傷のつきやすさ」かもしれません。 保護パッドやウレタングリップを付けると改善できます。 一方、アルミも様々で、混合してある金属や比率によって素材の特性も 大きく変わってきます。しかしカーボンと大きく違うのは、アルミ合金は 1000番台から7000番台まで、国際的にもJIS規格によって、きちんと管理 されているという事です。 ですのでカーボンほど素材自体のバラつきがないと言えます。 1000番台はアルミ箔などに使われる素材で、熱伝導率は良い変わりに、弱いという 特性があります。 2000番台は超ジュラルミンの名称で知られる高強度材ですが、耐食性に劣ります。 3000番台は加工性、耐食性、強度が良好なので、ビールの缶などに使われています。 4000番台は耐摩耗性が良いので、建築用パネルなどに使われています。 5000番台はバランスに優れた素材で、車両、航空機・自動車用ホイール、ビール缶 の蓋部分にも使われています。 6000番台は強度、耐食性が良好で、建築用サッシなどに使われています。 7000番台はアルミ合金中の最高強度で、航空機や鉄道車両用構造材などに使われています。 ハスキーは「航空機用アルミ合金製」となっていますので、おそらく2000番代か 7000番代のどちらかでしょう。どなたか知っていれば教えてください。 アルミの最大の欠点は熱伝導率の高さだと思います。 夏は焼けるように熱くなりますし、冬は肌が引っ付くのではないかと思う程、 冷たくなります。これもウレタングリップで改善することが出来ます。 どちらにしてもウレタングリップは必要となりそうです ^^ あとよくアルミ製はカーボン製に比べて重いという話をよく耳にしますが、 それは大きな間違いです。カーボンであれ、アルミ合金であれ、木材であれ、 良い素材できちんと作った場合、その重量にほとんど差はありません。 例えばカーボン製のジッツオGT3532LSは2kgです。別売のセンターポールを 付けたら2.5kgになります。(カーボンラピッドGS3512S) アルミ製ではハスキー3段は2.5kgですが、センターポール付きです。 木製ではBerlebach(ベルレバッハ)Report 823は2.6kgです。センターポール が付いていますので、やはり同じくらいの重さになります。 ですので「アルミかカーボンか?」からスタートしてはいけません。 まずはそのメーカーが信用できるか?から始めましょう。 あなたは露天でブランド物のバッグを買いますか? もし買わないと思ったのであれば、あなたは露天の商品を信用していない という事になります。 それで良いのです。カーボンと書いてあっても大丈夫ではありません。 本当にそのメーカーが良いカーボンを使っていると思えるか?が重要です。 私の個人的な意見で言いますと、カーボンならマンフロットかジッツオ、 アルミならハスキーは信用しても良いと思います。(脚部のみの話です) |
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