普段から「満点の雲台はない」と書き続けていますが、では実際にどんな 雲台であれば100点を取れるのか?と問われると回答に困ってしまいます。 なぜなら動いている被写体を撮影したいのにギア雲台では困りますし、0.1度 単位の微妙な調整が必要な天体撮影にジンバル雲台では調整が上手くいきません。 しかしそんな事を言い出したらキリがありません。用途に合った雲台の中から 理想的な雲台を選んでいくしかないと思います。 さて昼食時に近くの公園を歩いておりましたら、桜が見事に開花していました。 2016/3/31神戸市東灘区内にてiPhone6で撮影 品種によってはまだまだ五部咲き程度のものもありますが、夙川の桜も来週 辺りが見頃となるかもしれません。楽しみです。 閑話休題 さて、三脚雲台を持ち出して桜など自然を撮るとき、多くの場合が屋内と違って 床が不整地となります。つまり頻繁に三脚の各脚の長さを調整したり、雲台で 構図を変更する必要があります。 そうなるとやはり少ない操作で構図変更ができる自由雲台は理想的なシステム と言えます。フリクションの調整ができないのが難点ですが、梅本製作所など 国産の自由雲台の多くはワンハンドルで全操作が完了しますので、シャッター チャンスに強い雲台とも言えます。 つまり(私の)理想の自由雲台はワンハンドルで、尚かつフリクションの調整 が出きる事が第一条件となります。しかし残念ながらもうこの時点で、そんな 製品はほとんど存在しません。 アルカスイスP1 ※画像はKPIのHPより アルカスイスP1は近いですが、90度まで傾けることができないという欠点が あります。90度傾けられるのは最低条件ですが、出来れば片方だけではなく 前後両方に90度傾けられると便利だと思います。SLIKの「SBH-150 DQ N」 のような感じです。 そして三脚の底に空いているネジ穴は3/8インチ穴は当然空いているとして、 ジッツオやReally Right Stuffのシステマティック三脚に直接組み込める機構 になっていると、非常に安定性が増すと思います。 Gitzo システマティック雲台 GH5381SQD ※画像はGitzoのHPより ただし、汎用性を考えて、システマティック三脚で使用しない場合は、段差が できないように化粧カバーが付いていてほしいですね。イメージとしては下の ような感じ。 独立したパン操作ができないというのも不便だと思うことが多いですが、それは クランプ自体をパンニングクランプにすることで解決できると思います。 そして自由雲台の最大の欠点は微妙な構図合わせが難しいということでしょう。 アルカスイスやKIRKやReally Right Stuffといった高級雲台はまだ合わせやすい ですが、それでも0.1度0.2度の微調整は容易ではありません。 ですのでクランプ自体にゴニオステージのような機構が搭載されていれば、 ほぼ完璧に近い自由雲台になると思います。以上をまとめるとこんな感じです。 屋外での撮影は大抵の場合、水平方向さえ合わせられれば大丈夫だと思います。 ですのでクランプ部のゴニオステージは1軸でも良いかと思います。 ワンハンドルで適当に合わせて、クランプ部で追い込んでいくという感じです。 しかしどこかに無理が生じそうです。重量の問題や耐荷重の問題もありそう ですね。でもこんな雲台をどこかが作ってくれないかな?と思います。 …という前振りをしてさらに次回に続きます。 |
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