今回の話しの流れとしましては、前回の記事「理想の自由雲台」の続きです。 さて前回は私の理想の自由雲台像を書きましたが、実際にあんな 雲台を作ろうと思ったら、大変な作業ですので個人ではできません。 そして剛性を高めながら妥協せずに、これを完成させたとしても、おそらく 重量は3kg近くなってしまうと思います。つまりどこか妥協しないと実用品 にはならず、そして妥協したら3流の雲台に成り下がってしまいます。 考えに考えあぐねた結果、重量がネックであれば、ヘッド部分と自由雲台部分が 分解できれば良いのではないか?という結論に辿り着きました。 制作はKIRKの取扱いで有名な「スタジオJin」。ゴニオステージと回転ステージ を合体させ、KIRKのクランプとプレートを取り付けた微動雲台です。一応名称 がないと説明しにくいので「ゴニオヘッド」という、たった今思いついたような 適当な名前を付けたいと思います。 底部はKIRKのプレートです。ボディ専用のプレートの溝を利用して、アルミ板 にホゾ加工をしています。こういうアイデアとセンスは天才的だと思います。 クランプと回転ステージを繋いでいるのは、アルカスイスKIRKモデルに使われて いるアダプターです。以前改造をお願いした「アルカスイスP0」と同じものです。 スタジオJINさま、いつも無理を聞いていただきまして、ありがとうございます。 さてでは早速使ってみます。まずはこのゴニオヘッドは単体で微動雲台として 使用が可能です。 天体撮影の極軸合わせでは、最強の雲台となりそうです。単体で重量が1286g もありますが、ゴニオヘッドひとつで済むなら軽いものです。 次に自由雲台に載せて、適当に構図を合わせてみます。 適当に固定しましたので、かなり水平がズレてしまいました。またフォーカス ポイントの位置ももう少し被写体の中心に寄せたいところです。では操作します。 回転ステージの微動ノブを操作し、フォーカスポイントを中央に寄せます。 次にゴニオステージの微動ノブを操作し、水平を合わせます。 あっという間に微妙な構図合わせが終了しました。各ノブも指先の軽い力で 操作できます。ギア雲台の固さが嘘のようです。アルカスイスd4ギア雲台も これくらい軽かったら最高だったのですが。 また仮に固定した位置が5度傾いていたとします。 それを通常の自由雲台等で傾きを補正すると、フォーカスポイントがズレてしまい 再度、微妙な構図合わせが必要となります。この理由は 回転軸となる場所がカメラのイメージセンサーから離れていることが原因です。 同じように5度傾けて、ゴニオヘッドで試してみます。 若干のズレは起こりますが、ほぼ構図修正が必要ないレベルのズレです。 その理由は 回転軸となる場所がカメラのイメージセンサーから、ほとんど離れていないから だと推察されます。 自由雲台に取り付けて使う上での欠点は少し背は高くなり過ぎること。そして やはり重くなってしまう事です。しかし大雑把に自由雲台で仮固定して、微動で 水平を追い込めるというのは、ブツ撮りをする上でも非常に効率的です。 商品化するには… コストが掛かり過ぎて不可能でしょうね。 以下、動画です。 |
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