イランの民間防衛組織のトップであるゴラーム・レザー・ジャラーリー准将が、「イスラエルがイランから雲を盗んでいる」と記者会見で暴露、大きな話題になっている。
「イランの気候変動には疑わしい点があります。外国の妨害工作が気候変動に関与している可能性があるのです」(ジャラーリー准将)
「イスラエルは他国と共同の研究チームを結成し、イラン領空に入ってくる雲に雨を降らす能力がないことを確認しています。我々は雲と雪の窃盗被害に遭っているのです」(同)
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英紙「METRO」(7月3日付)によると、ジャラーリー准将はその証拠として、アフガニスタンと中東地域の間にある2200m以上の山岳地帯はイランを除いて全て雪に覆われていると主張している上、イラン気象研究所のアハド・ワジーフェ氏も確かにイランは長期の干ばつに悩まされていると認めているという。
しかし同時に、ワジーフェ氏は他国から雲を盗むことは気象学的に不可能であり、このような発言は「正しい解決法の探究を邪魔する」と厳しい言葉で批判もしている。
とはいえ、ジャラーリー准将は知られざる機密情報を握っている可能性もある。それに、2011年にはイラン前大統領マフムード・アフマディーネジャード氏も、イランに降るはずの雨を盗み、干ばつを引き起こしている真犯人として西洋諸国を糾弾していた。
だが、そんなことが本当にできるのだろうか? できるかもしれない。2013年9月、「CBS」ニュースに登場したニューヨーク市立大学教授ミチオ・カク博士は、「レーザーによる気象操作は可能か」と聞かれた際に、「もちろんです」と回答、「科学者は長年も人工的な気象操作を研究してきた」、「ベトナム戦争でCIAが気象操作していた」と暴露しているからだ。
カク博士が指摘している気象操作は雨を発生させる技術であるが、雨を降らすことができるならば、雨を降らせないこともまたできるかもしれない。以前トカナでもお伝えしたように、中国はチベットで世界最大の人工雨を降らせようと計画しているが、地球工学者のJanos Pasztor氏は、そのような気象操作を行うと「雨が降るはずだった場所にある環境や、そこに暮らす人々のもとに雨が降らなくなってしまう」と警鐘を鳴らしている。
とすれば、イランに雨が降らなくなってしまったのも、敵対するイスラエルがイランに降るはずの雨を他の地域に降らせてしまったためだろうか? もしかしたら、ジャラーリー准将やアフマディーネジャード元大統領は真相を掴んでいるのかもしれない。もし、そのような技術がすでに確立されているとすれば、これは日本にとっても他人事ではない。中国がチベット高原で人口雨を降らせる計画も、その真の目的は日本などの近隣諸国の雨を盗むことにあるかもしれないからだ。飛躍した推論だろうか? そうであることを願いたいが、気象操作が軍事的技術として使用されてきたというカク博士の言葉を聞いた後では、そのような技術は100%あり得ないと断言できないことも確かだろう。
(編集部)
※イメージ画像は、「Thinkstock」より
ミチオ・カクは、彗星(主に氷の塊)と小惑星(主に石や鉱石)をゴッチャにしていて、「小惑星が大気を纏ったのが彗星」などと、『君の名は』みたいなマンガ天文学が持論の要注意人物。