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【政治】

憲法論議 与野党責任者に聞く

 臨時国会では、衆参両院の憲法審査会での議論の行方が大きな焦点だ。自民党の細田博之憲法改正推進本部長は、継続審議の国民投票法改正案の議論と改憲論議を並行して進めたい考え。一方、立憲民主党の山花郁夫憲法調査会長は、国民投票運動時のCM規制や、表現の自由を巡る議論を行うべきだと訴えている。 (大杉はるか)

◆自民・細田博之氏 国民投票法案が優先

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 -野党はCM規制の議論を求めているが、憲法審をどう進めるか。

 「まずは国民投票法改正案を審査する。野党の案も議論したらいい。本当にやる気があれば、(継続審議の)改正案は短時間で成立させられる。その間に憲法改正の議論を並行的にできるので、積極的に議論すればいい」

 -自民党は昨年、四項目の改憲条文案をまとめた。

 「野党時代に全文改正案を党の意思として決定したが、全文改正だといつまで時間がかかるかわからない。『こう変えるべきだ』というところだけ取り上げることになった。何十回に及ぶ議論の集大成として改憲条文案を決定した。自民党の意思であり、正式な他党に対する提案だ」

 -九条に自衛隊を明記することを優先するか。

 「(九条改憲は)自衛隊は違憲との論争が起こるのは良くないので、きちんと憲法に位置付けようというのが趣旨だが、四項目それぞれに理由がある。『ここだけは譲れない』という中身に絞った」

 -参院選では改憲勢力が三分の二を下回った。

 「各党は自分たちの意見を出してほしい。それを国会で議論するのが筋だ。議論の結果、三分の二を超え、改憲原案を出すことになればいい。公明党も含め少なくとも三、四党が賛成しないと三分の二は超えない。無理やり改憲発議すれば、国民投票で否決され、内閣が倒れる」

 -首相は改憲に意欲的だ。改憲の目標時期は。

 「できるだけ早く。与党も野党も議論に乗ってほしい」

◆立民・山花郁夫氏 表現の自由も議論を

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 -与党は野党に議論を呼びかけている。

 「こちらも『議論しろ』と言っている。テーマが折り合っていないだけだ」

 -野党が求めるテーマは。

 「『あいちトリエンナーレ』への補助金不交付と表現の自由の問題だ。表現の自由は民主主義の基盤。政策に間違いがあっても、表現の自由で是正することができる。憲法審で今やらないといけない」

 -与党は継続審議の国民投票法改正案の議論を優先するよう求めている。

 「(国民投票運動時の)CM規制も国民投票法の話だ。『(継続審議の法案を)まず採決しよう』と言われているが、CM規制も一緒に議論しないと。投票のルールに関わるので、与党と一緒に議論したい」

 -CM規制と表現の自由との兼ね合いは。

 「二〇〇七年の立法時から(改憲案の賛否のCMが)資金量によって差が出る懸念はあり、日本民間放送連盟が自主規制するはずだったが、今は『自主規制しない』と言っている。法規制は仕方ない」

 -自民党は改憲の議論も求めている。

 「関心事項以外はやりたくないという姿勢だ。国民投票法の付則には、国民投票制度の意義や必要性を検討すると規定されており、優先順位はそこからだ」

 -九条に自衛隊を明記する自民党の改憲案は。

 「改正の必要性を示してほしい。安倍首相が『(自衛隊明記で)何も変わりません』と言っている。必要性はないと言っているに等しい」 

 

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