廃線50年を記念し、江若鉄道の歴史をたどる写真や資料が展示された会場(大津市御陵町・市歴史博物館)

廃線50年を記念し、江若鉄道の歴史をたどる写真や資料が展示された会場(大津市御陵町・市歴史博物館)

 琵琶湖西岸で半世紀に渡って運行された江若鉄道の「思い出の品々」を展示するミニ企画展が、大津市御陵町の市歴史博物館で開かれている。写真約100点と資料約50点を展示し、住民や観光客の足として親しまれた鉄道の歴史を紹介している。

 江若鉄道は1921年、現在の大津市域の三井寺―叡山間で開業し、31年に浜大津―近江今津(現高島市)間で全線が開通。総延長は約51キロで、国鉄(現JR)湖西線の建設に伴い69年に廃線となった。今月が廃線から50年の節目になるため、同博物館が企画、びわ湖鉄道歴史研究会などが協力した。
 会場には、先駆的なガソリン気動車や、現在の高島市の湖岸に線路を敷設した「白髭付近の工事風景」などの写真が並ぶ。第1号機関車(米国製)の鐘や、廃線を悲しむ子どもたちの作文、沿線案内のパンフレットなどの資料もある。同博物館のロビー(無料)では、当時の三井寺下駅のジオラマや駅員が思い出を語るビデオも見ることができる。
 市歴史博物館の木津勝学芸員は「最新の気動車を導入するなどし、沿線住民だけでなく、観光客をどう呼び込もうとしたか、努力が伝わる」と話した。
 有料。12月1日まで。月曜休館だが、祝日の場合は開館し翌日が休館になる。