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 大型で非常に強い台風19号は勢力を保ったまま12日夕方から夜にかけて東海から関東に上陸する見込みだ。12~13日に関東・東海を中心に、広い範囲で記録的な大雨や暴風となる恐れがある。大雨特別警報を出す可能性もあり、気象庁は風雨が強まる前の安全確保のほか、河川の増水や氾濫(はんらん)、高潮などに警戒するよう呼びかけている。

 首都圏の鉄道各社は12日朝から計画運休を始める。JR東日本は午前9時以降、在来線の運転を順次取りやめ、午後1時ごろには首都圏の全線が運休する。東海道新幹線は東京―名古屋間が終日運休、東北や上越、北陸の各新幹線も正午過ぎから順次運転をとりやめる。私鉄各線や地下鉄の一部区間も昼前後から運休する予定だ。

 気象庁によると、台風19号は11日午後9時現在、東京・八丈島の南西を時速20キロで列島へ向かって進んでいる。中心気圧935ヘクトパスカル、最大風速45メートル。最大瞬間風速は65メートル。最大風速44メートルの非常に強い勢力を保ったまま本州に上陸すれば、記録のある1991年以降初めてという。その後、北上して13日中に北海道の南東海上で温帯低気圧に変わる見込み。

 台風19号から暖かく湿った空気が流れ込み、関東と東海では12日午前から大雨となりそうだ。12日午後~13日は台風本体の発達した雨雲の影響で、四国や中国地方から東北にかけて雷雨や猛烈な雨が降る可能性がある。特に関東や東海では、1958年に伊豆半島を中心に死者・不明者1269人を出した「狩野(かの)川台風」に匹敵する記録的な大雨となる恐れがある。

 予想される24時間雨量は多いところで、12日午後6時までに東海800ミリ、関東甲信500ミリ、伊豆諸島350ミリ。13日午後6時までで北陸300~400ミリ、東北と関東甲信200~300ミリなど。暴風の強さは先月の台風15号と同程度だが、範囲が広く日本海側でも影響が出る恐れがある。12日に予想される最大風速は東海45メートル(最大瞬間風速60メートル)、関東甲信40メートル(同)などと予想されている。潮位が高い時期とも重なることから、近畿や東日本の太平洋側は高潮への警戒も必要だ。(金山隆之介、細沢礼輝)