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憧れバトン02-1

夢眠ねむさん「菓子折りを配って挨拶回りをするような卒業にしたかった」

文:田中春香 写真:なかむらしんたろう
2019/10/11

誰しも人生で何人かはいる、「あこがれた人」や「嫉妬する相手」。
「他人と比べない社会」を良しとする風潮の中で、それでも自分の中にある「羨ましい」「あの人みたいになれたら」の声に耳を傾けることで、次に頑張るべき課題や目標が見えてくるかもしれません。
今回は夢眠書店・店主の夢眠ねむさんに、お話を伺いました。

    記事末尾でコメント欄オープン中です!

●憧れバトン02-1

前回の地下セクシーアイドル、ベッド・インの中尊寺まい(ちゃんまい)さんが「憧れた相手」として名前を挙げたのが、元「でんぱ組.inc」メンバーで現在は「夢眠書店」の店長をつとめる夢眠ねむさん。

美大在学中に秋葉原のメイドカフェでメイドとして働き始め、その後「でんぱ組.inc」へ加入。アイドルとして活動しながらバラエティ番組に出演したり、作品集「まろやかな狂気」を発表したりと、オリジナリティのある活動を続けてきました。

2019年1月をもって、アイドルグループ「でんぱ組.inc」を卒業、同年3月に芸能界を引退しました。「いつかは本屋さんを開きたい」と公言してきたねむさんはその目標を実現させ、2019年7月、下北沢に店舗をオープンします。また、自らが作画したキャラクター「たぬきゅん」のプロデュースにも力を入れるなど、引退後すぐに多岐に渡る活動を精力的に行なっています。

中尊寺まいさんからは、以下のコメントをもらいました。

可愛らしい外見からは想像できないほど、凛としていて心が格好いい。 仕事のやり方、関わる人たちへ注ぐ愛を間近で見せてもらえた経験は、私にとってかけがえのないものになりました。
やりたいことへの行動力、それをやりとげる姿、私にはここまでできないって思います。

世の中におけるアイドルという肩書きを大きなものにした上で、自身も進化し続け、美しく、誰も傷つけずに幕を引き、さらに本屋を開店するという夢まで叶えている。正直、これ以上のアイドルはいないと思う。「他のアイドル、これからどうしたらいいねん!」と、ある意味で罪の歴史さえ作ったと思います(笑)

さて、そんな「嫉妬のラブレター」をうけとったねむさんに、同じアイドルが「完璧な幕引き」と称したことに対する心境、そして現在の書店のお仕事について、3回に分けてお話をうかがいました。

本を手にする夢眠ねむさん

王道のアイドルではなく、夢眠ねむらしい卒業式を

――ちゃんまいさんからのコメント、率直にいかがですか

夢眠ねむ(以下、ねむ): 純粋に嬉しいです。卒業コンサートでは自分がやりたいことをやらせてもらえたので、同業の子にこんな風に言ってもらえるのはありがたいなあ。

オタクの人たちには、私がいなくなるからといって、「でんぱ組.inc」のファンを卒業しようとは思わないで欲しかったんです。「これからは私もあなたたちと同じ“そっち側”にいくんだから、一緒にファンをやってこうね!」という気持ちを込めて、私のいないでんぱ組のパフォーマンスをファンと一緒に客席から応援する、という演出をしました。

――今まで応援してくれたファン、そしてこれからもグループを続けていくメンバーそれぞれへの心遣いが「完璧な幕引き」といわれる理由なんですね。

ねむ: 私自身、どストレートなアイドルではない、という意識がずっとあったからか、卒業コンサートも、王道の「みんなが涙で送り出すようなしめっぽい形」ではなく、自分が思う「夢眠ねむというアイドルの終わり」にしたかった。

うしろゆびさされ組さんのラストシングルに「かしこ」という曲があって。別れの曲なのですがとても明るい曲で、あの歌のような「ありがとうございました!」と元気に挨拶をして終われるような最後にしたいとは思っていました。

(ベッド・イン)ちゃんまいちゃんも、王道にいきたいけどアウトローという私の立場をわかってそこを評価してくれたのかな。

カウンターに立つ夢眠ねむさん

――芸能界を引退後に「夢眠書店」をオープンすることを事前に宣言することで、ファンの方も大きな動揺なく、次の夢を志すねむさんを笑顔で送り出せたように思います。

ねむ: 若いアイドルの子と違って、学業に専念する、などの理由ではないので、「アイドルはやりきりました、次の目標に向け、ここらでおいとまいたします」ときちんと説明してやめるのが自分らしい立ち位置だと考えていました。ちゃんと各所に菓子折りを配って辞める、みたいなイメージです(笑)

「王道ではないと自覚している」と言っても、アイドルという仕事は日常に楽しさを与える存在。卒業することでみんなを悲しませてしまうことは避けられないにしても、不安にさせたり、不満を抱かせたまま辞めるのは違うと思っていました。

憧れの人、の、その周りにいた人、に嫉妬する

――今回のテーマは「嫉妬」ですが、ねむさんは誰かに嫉妬したり憧れたりすることはありますか?

ねむ: 「アイドル時代にこの人に嫉妬していた!」みたいな人はいないですね。ただ、自分が影響を受けて「うらやましい!」と思っていたのは全員おじさんです(笑)

――おじさん!?

ねむ: 漫画家の杉浦茂さんや、同じく漫画家の(『のらくろ』の作者)田河水泡さんにすごく影響を受けていて。ただ、その方々ご自身ではなくて、どちらかというとその「周辺にいた人たち」に嫉妬している気がします。
「あの人と会ってたんだ!話してたんだ!ずるいー!!」っていう(笑)

きっとお会いできても何を喋っていいかわからなくなってしまうので、尊敬している方に積極的に会いたいというタイプではないのですが、一目みてみたかった!という悔しい気持ちはあります。お会いしてみたかったし、お会いした時に対等に話ができるくらい誇りを持っている自分でいたかったです。

――たしかにそういう「あの人の“界隈”にいた人への嫉妬の感情」みたいなものってありますよね。憧れたりファンだったりする方に、ふさわしい自分になれない時の悔しさも、わかります。

ねむ: お仕事で小沢健二さんにお会いできる機会があったんです。本当は好きすぎてお会いしたくなかった、「キモい」って思われたらどうしよう……とか考えちゃって(笑)でも、ものすごく対等に話してくださったんです。

自分が憧れていた大人たちが、こちらに気を遣わせないように同じ目線で話してくれるっていうのはすごくありがたいですよね。そうしてくださったことにも感謝しているし、自分もそういう(憧れの)方々に会えるようになれた、ここまで来られたんだ、という気持ちになりました。

自分を目指してアイドルになってくれた子に、ちゃんと思いを伝える

――憧れの方々とお会いしてみて、学ぶことはありましたか?

ねむ: 下の世代とまっすぐ向き合える大人、ってかっこいいなと思いました。
私は姉と歳が離れているので年上の世代と喋ることは自然にできるのですが、なついてくれる後輩たちとのコミュニケーションでは構えてしまうことがあったんです。「良い先輩」をしてくださっていた、たくさんの大人たちは本当に尊敬しています。

それに、やっぱり自分がおばあちゃんになった時に、若い子たちに慕われて老いていきたいですし(笑)それは自分の課題ですね。

――「でんぱ組.inc」に新たに若いメンバーが入ってきた時には、しっかりと指導したりアドバイスをしていたように思うのですが

ねむ: 私自体は妹気質なので甘える方が得意で、厳しく言うというのは頑張らないとできませんでした。
活動後期は、グループ結成当時とは状況もかわり、「夢眠ねむに憧れてこのグループに入ってきた」という子もいて。そこまで思って入ってきてくれた子には、自分が持っているマインドみたいなものをちゃんと伝えてあげたいなって思って、先輩らしさみたいなものへの覚悟を持って接していたように思います。

私には「アイドルの先輩」というのはいませんが、対等な人間として接してくれていた先輩方のように、自分もなれたらいいな、という思いはありました。
新メンバーに対しては、先輩たちが自分にしてくれたようなことが少しはできたのかな、と思っています。

***憧れバトン02-2につづく
同業のアイドルからも「完璧な卒業」と“嫉妬”されたねむさん。自身のアイドルスピリッツを後輩たちへ受け継ぐべく、最後まで考え抜き、行動していたその思いはきっとファンの方にはしっかりと届いていたのではないでしょうか。続いてはねむさんの意外な「嫉妬」のルーツ、そして現在店主を務める「夢眠書店」オープンまでのお話を伺います。

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現在肩書き無し。30歳の夏、港区での彼氏との同棲を解消、同時に8年マネージャーとして勤務した芸能事務所を退社する。ライター業ではお笑いやサブカルチャーに関するコラムをwebサイトに寄稿など。
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