【首都スポ】[大学サッカー]浦和入り内定の中大MF大久保 狙うはインカレ出場とリーグアシスト王2019年10月11日 紙面から
第93回関東大学サッカーリーグ戦(東京中日スポーツ後援)は残り7試合となり、ここから正念場へと突入していく。この時期には4年生選手のプロ入りが次々と発表されるが、1部に所属する中大の3年生MF大久保智明(東京Vユース)は2021年シーズンからのJ1浦和入りを一足早く内定させている。緩急をつけたドリブルで一瞬のうちに相手を置き去りにするアタッカーだ。2部だった昨季の後半戦から定位置をつかみ、プロのスカウトをすぐさまうならせた逸材レフティーに聞いた。 (取材・構成、関孝伸) -2021年シーズンからの浦和入りが内定していますが、これまでの大学サッカー生活は決して順調ではありませんでした 大久保「大学に入るときは1年目からスタメンで活躍するイメージを持っていました。大学サッカーについて何も知らなかったこともあって、そういう自信を持っていたんです。でも、最初はトップチームに入ることもできなくて、(心が)折れた時期がありました」 -1年時は2部リーグで出場5試合にとどまりました。イメージとは違った形になりましたが、そこから自分をどう変えたのですか 「大学に入ったころはいろいろなプレーを器用にやろうとしていたんですけど、(得意とする)ドリブルで勝負するのが一番だと1年の後半あたりから割り切りました。それで、2年から(2学年上のDF)上島(かみじま)拓巳君(現J2柏)と毎週火曜日の午後に(自主練として)1対1のトレーニングをするようになったんです。その1対1の動画を自分たちで撮って、あとで見て話し合いながらやっていました」 -後にプロになる上島選手を相手にして、ドリブルで抜く技術を磨いたわけですね 「(守備能力が高い選手を)ドリブルで抜くことで、ドリブルに対する絶対的な自信が自分の中でついていきました」 -2年時の後半戦からレギュラーポジションを獲得し、チームの1部復帰に貢献しました 「そのころは手応えがもうあったので、積極的にプレーしていました。1対1の場面で相手を抜いてクロスボールを上げたりとか、いいプレーを要所要所で見せることができたと思います。(ドリブルを絶対的な武器とする)自分のプレーが確立したシーズンでした。ただ、得点とアシストが少なかった(リーグ戦16試合に出場し、2ゴール1アシスト)ので、満足はできませんでした」 -今年に入って浦和のキャンプに参加し、それが加入内定につながりました 「ゲームには参加できなかったんですけど、ボールを使ったトレーニングをする中で『これならやれる』という感覚を持つことができました。ドリブルが通用しましたし、プロのスピード感についてもやれると思えました。大学の試合が始まってからは浦和のスカウトの方がプレーを見にきてくれました。自分の調子が割と良かったので、(浦和入りの)話が進んでいった感じです。6月くらいにオファーがあって、7月9日に内定が発表されました。まだ3年生ですし、内定するのが今年だとは最初は考えていませんでした」 -浦和の練習には先日の夏休みの時期にも参加してきました 「槙野(智章)選手に『おまえ、うめぇな』とほめてもらいました」 -出場機会はありませんでしたが、ルヴァン杯の鹿島戦(9月4日)でベンチ入りしました 「メンバーに入ることが決まったときはテンションがだいぶ上がりました。単純にうれしかったです。ただ、メンバーに入るだけなのと試合に出るのとでは得るものが違ってくるので、出られなくて悔しかったです」 -大学の方では自身初となる1部での戦いが続いています 「開幕戦で2点取れました。公式戦で2点取ったのは大学に入って初めてのことでしたし、良かったです。でも、それ以外のところでミスがあったので、納得はできませんでした。ドリブルに関しては、開幕戦ではあんまりでしたけど、(1部勢に対する)慣れが試合を追うごとに出てきて、どんどん良くなっていきました」 -リーグ前半戦では4ゴール4アシストでした 「前半戦で5得点5アシスト、後半戦でも5得点5アシストというイメージを持っていました。前半戦は目標に届かなかったので、満足はできませんでした。ただ、得点とアシストの数に偏りがなかったので、評価はできます。やれている感覚がありましたし、ギリギリ合格点です。得点の部分でもアシストの部分でも中大の攻撃を引っ張れたかなと思っています」 -後半戦に入って4試合を消化し、残りは7試合となりました。現在は5ゴール4アシストです 「10得点10アシストが目標なので、それを達成するためにも、結果に対してもっとこだわっていきたいと思います。『大久保にやられた』と言われるような選手になりたいです。アシスト王(現在ランキング1位と1ポイント差の3位タイ)は狙っています」 -チームは現在9位です 「チームとして目指しているのは(6位以内に入って)インカレに出場することです。個人の結果を出して、それでチームも良くなる方向に行けたら一番いいかなと考えています」 -最後にプロ入り後の目標を聞かせてください 「まずは浦和に勝利をもたらす選手になることです。大卒を代表する選手になりたいですし、海外に行って挑戦してみたい気持ちもあります」
◆アラカルト◆釣り 頻繁ではないが、時間があるときは海釣りに出かける。家族らと行く、大みそかのフィッシングは恒例行事になっている。ここ数年の釣り場は静岡・網代。その日の獲物を実家に持ち帰って食べ、みんなで楽しく新年を迎える。 ◆仲良し6人組 中学時代の同級生グループとずっと仲良くしている。男性3人と女性3人で3カ月に1回ほどのペースで会い、いつも朝まで盛り上がる。大久保のプロ入りが内定した際には喜んでくれたが、大久保に対する接し方は変にチヤホヤしたところがなく以前と変わらなかったとか。それが逆に「うれしかったです」 <大久保智明(おおくぼ・ともあき)> 1998(平成10)年7月23日生まれ、東京都板橋区出身の21歳。170センチ、62キロ。同区立紅梅小1年のときにビートルイレブンでサッカーを始め、小4~高3の9年間は東京Vの下部組織に所属した。高2時のJユースカップでベスト8。中大では2年時の昨季リーグ後半戦からレギュラーになり、活躍を続ける。2021年シーズンからのJ1浦和加入が内定している。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
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