簡潔な線による都会的でユーモラスな人物像で知られるイラストレーターで、デザイン、映画監督、エッセーなど多彩に活躍した和田誠(わだ・まこと)さんが7日、肺炎のため、東京都内の病院で死去した。83歳だった。11日、事務所が発表した。葬儀は近親者で営んだ。後日しのぶ会を開く予定。妻は料理愛好家の平野レミさん。長男はロックバンド「TRICERATOPS」のボーカル兼ギターの和田唱さんで、妻は俳優の上野樹里さん。食育インストラクターの和田明日香さんは次男の妻。
1936年、大阪市で生まれ、9歳から東京で育った。多摩美術大学在学中の57年にグラフィックデザイナーの登竜門である日宣美賞を受賞。広告会社ライトパブリシティに就職した59年、たばこ「ハイライト」のパッケージデザインがコンペで採用され、翌年発売された。68年に独立した。
創作活動はイラストレーションやポスターなどのデザインに加え、アニメ、絵本、ショー演出、本の装丁、レコードジャケット、ロゴマーク、翻訳、作曲など多岐にわたる。77年からは「週刊文春」の表紙を描き、2017年には2千回に。毎日新聞の書評欄の挿絵も92年から18年まで担当した。00年から朝日新聞に連載している「三谷幸喜のありふれた生活」の題字・挿絵(現在はカット)も手掛けている。
84年には映画「麻雀(マージ…
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