「アジアで最も優れた書店」「世界で最もクールな百貨店」。世界中でその店づくりが高く評価されている誠品生活が2019年9月27日、東京・日本橋に上陸する。誠品生活は名実共に台湾を代表するブランドだが、日本でその実力を知る人は少ない。謎に包まれた、本当のすごさとは何か。
「春なれや 名もなき山の 薄霞」。俳聖・松尾芭蕉の句を漢字で記した照明が、柔らかな光を四方に広げる。アーチ状の柱を配した通路の両脇には大きな書棚と、藍色ののれんを掲げた商店がにぎやかに軒を連ねていた。
江戸時代の日本橋のにぎわいを描いた歴史絵巻「熈代勝覧(きだいしょうらん)」をモチーフに、古今が交わり、新旧が溶け合う空間を作り上げたのは「誠品生活日本橋」。2019年9月27日、三井不動産が東京・日本橋にオープンする新商業施設「コレド室町テラス」のメインテナントとして、台湾から日本初上陸を果たした。
売り場面積は約2900平方メートル(約870坪)。ロの字型に延びる通路を進むと、書店、レストラン、カフェ、文具、雑貨、コスメなどが商店街のように続く。
書店には畳が置かれ、のれんをくぐれば料理教室が開けるキッチンスタジオや、吹きガラス、鋳金、注染など伝統工芸を体験できる工房と出合える。好きなパーツを選んでオリジナルのアクセサリーを制作できたり、自転車のペダルをこげば靴下が編めたりと、書店と手仕事を融合させた、全く新しいテーマパークがそこにあった。
- ▼DAYLILY(漢方コスメ)【日本初】
- ▼郭元益(グォユェンイー、台湾スイーツ)【日本初】
- ▼P. Seven 茶香水(香水)【日本初】
- ▼阿原 YUAN(天然コスメ)【関東初】
- ▼meta mate(メタルギフト&ワークショップ)【商業施設初】
- ▼工場十貨店(ファクトリーアパレル・雑貨)【商業施設初】
- ▼注染手ぬぐい にじゆら(手ぬぐいワークショップ)【新業態】
- ▼L&Co.(ジュエリー工房)【新業態】
- ▼Creema & Essence(ハンドメイド雑貨)【新業態】
- ▼富錦樹台菜香檳(フージンツリー、台湾料理レストラン)【日本初】
- ▼王德傳(ワンダーチュアン、台湾茶ティーサロン)【日本初】
- ▼猿田彦珈琲(コーヒーカフェ)
- ▼THE ALLEY(ティーサロン)
- ▼日本橋玻璃工房(ガラス工房)
- ▼誠品生活市集COOKING STUDIO
- ▼誠品生活 expo
「チェーン店だが、コピーしない」
「チェーン店だが、コピーはしない」(呉旻潔<マーシー・ウー>会長)。この言葉に誠品生活の哲学が表れている。台湾全土と香港、中国の蘇州、深圳に店を構え、日本橋がちょうど50店目。50店もありながら、確かにどれ一つとして同じ店はない。
コメント2件
酒井大輔
日経クロストレンド、日経トレンディ記者
誠品生活とは何か。これに対し、書店、百貨店と答えるのは、不正確です。書店、百貨店という枠にとどまらない点に独自性があるからです。今回はあえて日本橋店と台北の松山店をクロスオーバーさせる形で書き進めました。店の規模もコンセプトも異なりますが、
ローカライズしながらも、文化を育むという誠品の精神はしっかりと貫かれていることに気付くはずです。...続きを読むSaM
”自分たちの哲学を表現する小売”
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