独自設定あり。ねつ造設定ありです。
ご注意下さい。
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スレイン法国の最奥に位置する聖域、そこで行われていた会議が終わったことで漆黒聖典の第1席次である"隊長"は大きなため息を一つ吐いた。会議から解放されたことで張っていたものを解いたのだ。勤勉を良しとする法国でもこれくらいの休憩は許されるだろう。
「大きなため息ね。お見合いか何か?」
隊長は歩く足を止めると、声の主の方向へと目を向ける。隠す気の無い気配を廊下の壁にもたれたまま出すのは漆黒聖典の最終兵器"番外席次"だ。かちゃかちゃと----かつて六大神が広めた六面六色の玩具----"ルビクキュー"なるものを彼女はいじっていた。
「いえ、お見合いなどではありません。報告書を提出したはずですが?」
「見てない。知ってるのに聞いた方が早いからね」
「…"占星千里
「"
「えぇ。カイレ様に"真なる神器"であるアレを纏って頂き。私たち"漆黒聖典"はその護衛です」
「そう。場所はどこで見つかったの?」
「トブの大森林の奥です」
「…そう。支配できるといいわね」
そこには同じ"漆黒聖典"の仲間に対しての感情は無かった。だが彼女のそういった態度は今に始まった訳ではない。それゆえ隊長はあくまで冷静に接する。
「ねぇ」
いつもと同じように無表情のまま彼女は口を開く。隊長は彼女の短い言葉から機嫌が悪くはないことを把握した。この聞き方をする時はだいたい碌でもないことだ。
「どうしたのですか?」
「これは"ルビクキュー"のオリジナルだけど、あなたは"これ"の中身を知ってる?」
「?…いえ、私は中身を知りませんよ。そもそも中身などあったのですか?六大神の教えにはその箱の中身については特に無かったはずですが……」
「この箱の中身を知りたい?教えてあげようか?」
少し嬉しそうにする彼女を見て隊長はすぐさま結論を口に出した。やはり自分の予感通りだったようだ。
「……いえ、遠慮しておきます」
興味はあるが、ここから先は知るべきではないだろう。そう隊長は判断した。碌でもない内容の時は話すべきではない。そう自分の中で既に結論は出していたのだ。もし仲間の一人でも死んでいたら聞いていたかもしれないが。
「つまらない」
「すみません。私はこれで失礼します」
隊長が去った後に、番外席次は大きな溜息を吐いた。
「この"ルビクキュー"……別の言い方を教えてあげようと思ったのに……」
そう……。
それは……
「六大神が"破滅の竜王"を封印したマジックアイテム」
だからルビクキューの六つある面はそれぞれ"赤"、"青"、"茶"、"緑"、"白"、"黒"だ。
六大神がとある竜と取引するために封印するしかなかった"
「"
かつて、それを教えてくれたのは"黒"、"死"の神スルシャーナの第一の従者である女からだ。
「あ、一面揃った…」
一面揃った後、二面も揃えられないか五分ほど挑戦した所であきらめ、番外席次は興味をなくし溜息を吐いた。
とりあえず書いてみました。