Tony Cannon氏が日本時間9日、「GGPO」をMITライセンスのもとで配布することを発表しました。
「GGPO」は格闘ゲームのオンライン対戦において、ラグを軽減して(正確には上手く隠して)快適に遊ぶことができるようにするゲーム開発側の技術。『ストリートファイターIII 3rd Strike Online Edition』をはじめ、市販の格闘ゲームでも複数採用されています。
以下、公式サイトより、GGPOについて:
2009年に作成されたGGPOネットワーキングSDKは、ピアツーピアゲームでのロールバックネットワーキングの使用を開拓しました。 非常に正確な入力とフレームの完全な実行を必要とする速いペースの単収縮スタイルのゲームでネットワーク遅延を隠すために特別に設計されています
従来の手法では、プレーヤーの入力に遅延を追加することでネットワークの送信時間を考慮し、結果としてゲームの動きが鈍くなります。 ロールバックネットワーキングは、入力予測と投機的実行を使用して、プレーヤーの入力を直ちにゲームに送信し、ゼロ遅延ネットワークの錯覚を与えます。 ロールバック、同じタイミング、リアクションビジュアルおよびオーディオキュー、およびプレイヤーがオフラインでプレイする際に蓄積する筋肉のメモリを使用して、オンラインで直接翻訳します。 GGPOネットワーキングSDKは、ロールバックネットワーキングをできるだけ簡単に新規および既存のゲームに組み込むことができるように設計されています
ちょっと難しいですが、先にあえて入力遅延を入れてラグを吸収するようなものではなく、先読みで描画する(代わりに巻き戻しが発生する場合がある)仕組みのようです。
ちなみに、MITライセンスについては、ウィキペディアより:
要約すると、MIT Licenseとは次のようなライセンスである。
1.このソフトウェアを誰でも無償で無制限に扱って良い。ただし、著作権表示および本許諾表示をソフトウェアのすべての複製または重要な部分に記載しなければならない。
2.作者または著作権者は、ソフトウェアに関してなんら責任を負わない。
と、かなり緩いライセンスであることが窺えます。
開発者のTony Cannon氏
※その他参考:ウィキペディア「GGPO」、Wikipedia「GGPO」、カプコン・ストIII3rdOEサポートページ
技術的なことは詳しくありませんが、特に個人で格闘ゲームを開発しているような方にとっては、面白い話になるのではないでしょうか。
余談ですが、Tony Cannon氏と言えば、EVO創設者の一人として知られる人物。Radiant Entertainmentで格闘ゲーム『Rising Thunder』を開発中、Radiant EntertainmentがMOBA『League of Legends』のRiot Gamesに買収され、現在はRiot Gamesで格闘ゲームを作っていることを明かしています。Riot Gamesの格闘ゲームが今回の動きと何か関係があるのかはまだ分かりません。