【ラスベガス=花田幸典】日立製作所の米子会社は9日、米ウォルト・ディズニーと次世代テーマパークの実現に向け、提携すると発表した。あらゆるモノがネットにつながるIoTを使い、アトラクションの保守を効率化するとともに、データを社内で共有する仕組みも整備する。日立はディズニーとの提携を足がかりに、世界最大のIT市場である米国で事業拡大をめざす。
日立の米子会社である日立ヴァンタラが米フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドやカリフォルニア州のディズニーランド・リゾートに対し、日立のIoT基盤「ルマーダ」の解析技術を提供する。
アトラクションにセンサーを取り付け、データを人工知能(AI)などで解析して故障を予知し、保守を効率化する。すでに複数のアトラクションに技術を提供しているという。
またシミュレーション技術を使ったり、データを社内で共有する仕組みを導入したりして、テーマパークの運営を改善する。例えば人の動きや混雑状況をシミュレーションして、アトラクションをどの場所に設置すると良いかを判断する用途などが考えられる。
ディズニーはアトラクションが故障などで止まる時間を短くすることで、来園者の満足度向上につなげる。一方、日立はルマーダの約9割は国内向けで海外市場の開拓が課題になっている。米国で実績をつくり、海外展開に弾みをつける考えだ。