だが、連載初期は「まるでダメなメガネ」だったのび太が、時とともにキャラクターとして育ったのと同様、対をなす出木杉もまた、熟成されていった。ただの「勉強ができる」だけの優等生ではなく、人格的にも優れた少年に変わっていく。pic.twitter.com/0DHYZJ9X7z
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出木杉がただ勉強ができるだけでなく、読書家で物語を愛し、時に自分で台本を執筆し、のび太やジャイアンたちとミニチュアセットを作って自主制作の映画を作ったりと、彼にとって勉強は「自分の人生を楽しくするための手段」なのだ。pic.twitter.com/m62r7fJfxD
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出木杉のキャラとしての成長は凄まじく、のび太がしずかちゃんを道具で惚れさせようとして間違えて出木杉が惚れられた時も、「こんな形で心をもてあそびたくない」と拒絶。ジャイアンが鍾乳洞を傷つけたと知った時は、激しく怒り、あのジャイアンを凹ませるほどであった。pic.twitter.com/uxHWGqtf8K
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そんなのび太と出木杉が直接対決する珍しい回もある「冒険ゲームブック」の回で、体感型のロールプレイングゲームというひみつ道具である。結果として、出木杉は見事クリアし、反則しようとしたのび太はペナルティを課され失敗というオチなのだが、この回は、大変興味深い。pic.twitter.com/5Lhq4OvP6o
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出木杉はただのガリ勉ではなく、遊びも嗜み、かつ全てやり込む男なので、ゲームも得意。なので、ゲームブックに出てくる様々な展開も、大変まっとうにクリアしていく。
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例えば、ゲーム初期、妖精に「宝がある」と教えられ、わざわざ迂回して洞窟に向かうも、そこにあったのは石のお金。のび太は「なんだ」と落胆するが、「なにか役に立つかもしれない」と出木杉はそれを背負い、結果、川を渡る船の代金を払えたことで、先に進み、のび太は置いてきぼりを喰らう。
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その後のび太はどうするかと言うと、一旦現実世界に戻り、ドラえもんの秘密道具を借り、どこでもドアで一気にラストステージまで行こうとするが、そこでルール違反となって行動不能にされゲームオーバーとなる、という流れなのだ。この動きが、対称的な二人を表している。
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正攻法で、常に正しい答えを選択できる出木杉。対してのび太は「出木杉の方法は正しいが、同じことをしても、基礎能力の違う自分では勝てない」と判断し、別の方法を模索する。ゲームならばルール違反だったが、これが現実ならどうだろう? 結果はもしかしたら変わったかもしれない。
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のび太と出木杉は相反する存在で、真逆の二人。それ故に、この二人、実はすごく「相性がいい」のだ。のび太の柔軟な発想と、異端なひらめき。対して、深い洞察力と、膨大な知識を持つ出木杉、コンビを組めば、意外と輝く可能性がある。pic.twitter.com/zlRiLZEPbN
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出木杉は完璧な少年だが、やはり「出来過ぎた」少年なのだ。彼では絶対に得られないものがある。それはのび太が持つ「弱き者の気持ち」なのだ。敗者故に虐げられる泥を知らず、時に卑怯な手を使ってでものし上がりたいという感情は、彼は知識でわかっても、実感はできない。
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そう考えると、思い出すのが、本邦のバディものでロングヒットを続ける、今日から新シリーズスタートの「相棒」だろう。「相棒」シリーズで、今もってベストバディと言われるのは、やはり初代の亀山薫とのコンビだ。その中で、右京さんは興味深い言葉をつぶやく。pic.twitter.com/c0TbiayW05
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完璧人間の右京さんは、常にその明晰な頭脳で難事件を解決する。そんなある事件の中、やるせない事情故に犯罪に手を染めてしまった犯人と遭遇する。鋼の信念を持つ右京 は、どんな理由があれど、犯人を見逃さない。人情家の薫ちゃんは、激しく悩む。そして・・・
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まだ事件は明らかになっておらず、公的には犯人が「犯人」として容疑者にも登っていなかったことを理由に、彼らに自首を勧める。「アンタたちのやったことは間違っている。でも、そうせざるを得なかった気持ちもわかる。だから、罪を償って、人生をやりなおしてくれ」と訴える。
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薫ちゃんの言葉に、犯人たちはようやく心を氷解させる。それを見た右京さんは「君は・・・いつも僕のできないことをするんですねぇ」とつぶやく。謎を解き明かし、悪を捕らえることができる右京でも、悪に手を染めてしまった、弱く悲しい人の心を救えるのは薫ちゃんだったのだ。
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このように、天才と凡人故に成し得るドラマを作り上げたのが、「相棒」の醍醐味なわけだが、のび太と出木杉も、おそらくはそれに匹敵するものになったのではなかろうかと・・・と思ったところで、こっからは邪推と妄想の話である。多分これ、藤子先生も気づいていたのだろうと。
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それ故に、出木杉は隔離される。彼はあまりにも、のび太と相性が良すぎたのだ。もし彼がさらに目立っていき、のび太とコンビを組めば、まず間違いなく、ジャイアントスネ夫はモブキャラレベルに落ちる。安雄とはる夫と同レベルに落ちる。pic.twitter.com/OstjL18k5u
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しずかちゃんも、「異性である」という個性以外は出木杉に劣るため、ただのヒロインキャラに落ちるだろう。さらに言えばドラえもんすら怪しい。「のび太の相棒」ポジを奪われ、「ひみつ道具提供元」くらいの位置づけになりかねない。pic.twitter.com/AbPFq11szb
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やはり出木杉は出来すぎた男だったのだ。「ドラえもん」の根幹「五人組」システムを崩壊させかねないほどの・・・ゆえに、藤子先生は、出木杉の多用を控えた、せいぜいドラミちゃん以下にした、劇場版でも活躍を控えさせた・・・pic.twitter.com/LZWxcpH0qT
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そこからさらに邪推してみる。藤子先生はこうもおもったのではなかろうか・・・「『ドラえもん』では、のび太と出木杉のコンビは描けない。だが、『ドラえもん』でなければいいのではないか? のび太と出木杉でなければ、いいのではないか」と・・・
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「まず『ドラえもん』でいうところの、ジャイアンとスネ夫のポジションはモブキャラに降格させる」 「しずかのキャラが弱くなるなら、いっそ『異性』という個性は、のび太ポジのキャラにもたせる」 「ドラえもんの秘密道具に相当する能力を、これものび太ポジの主役に持たせる」
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「出木杉はやはり出来すぎるので、天才さと頭脳の明晰さ、温厚さと実直な誠実さはそのままに、運動神経は失くし、容姿はややダサくする」 「逆にのび太は女性化し、容姿は美少女にする」 ・・・これら組み合わさったもの、それが 「エスパー魔美」なのではなかろうか。pic.twitter.com/WSXPUt54bI
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「超常の能力を持つ美少女だが、思考は善人な凡人」の魔美と、「能力は持っていないが、常識はずれの天才」な高畑さんのコンビ。藤子作品には珍しく「五人組」システムを採用していない「エスパー魔美」こそ、「のび太と出木杉」コンビが、形を変えて生まれたもの・・・pic.twitter.com/eQbrTNwfXB
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結果として「エスパー魔美」は、従来の藤子作品とはまた異なるテーマやドラマが描かれ、藤子作品の中でも屈指の人気作となった。そこはやはり、「凡人と天才」のバディの巧みさが活きたからではなかろうか。pic.twitter.com/yRpZnU4jG3
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というところまで考えたところで、「エスパー魔美」の連載開始が1977年で、「ドラえもん」で出木杉が登場したんが1979年と知って、全てが瓦解した!!!wpic.twitter.com/Tun0YTwmEi
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