サケ料理を激ウマに変えるたった1つの法則
われわれ日本人にとってもなじみ深い魚、「サケ(鮭)」。そんな鮭料理を激ウマに変える、たった1つの法則を教えてくれたのは、昭和初期に書かれた幻の本「鮭鱒聚苑(さけますしゅうえん)」でした。その法則とは、「塩ふらずして鮭にあらず」。実は塩には、味付けや保存だけではない、「別の役割」があったのです。それさえ知れば、旬の生鮭で、激ウマの塩焼きを作り出すことが可能。カギを握る、知られざる鮭の生態とは?さらに、世界的シェフが入浴中に思いついたという、新食感の新時代レシピも大公開!
伝説の書に記された秘けつ「塩ふらずして鮭にあらず」!?
昭和17年に記された「鮭鱒聚苑(さけますしゅうえん)」という本。そこには、紀元前の歴史から、栄養成分の分析、全国各地の郷土料理に至るまで、あらゆる鮭の秘密が詰まっていました。その内容の緻密さには、現代の民俗学者でさえ超えることができないといいます。その本を読み解くと、鮭料理の秘けつを発見!それは、「塩ふらずして鮭にあらず」というもの。今でも同様のワザが受け継がれる、日本屈指の鮭の漁師町、北海道・標津町(しべつちょう)では、とれたての新鮮な鮭を、徹底的な塩漬けに!「塩は魔法の道具」と語るほど、塩には鮭をうまくするパワーが秘められているそうなんです。
味付けや保存だけじゃない!「塩」に秘められた役割とは
いったいなぜ、塩で鮭がうまくなるのか・・・??実は、塩には「味付け」や「保存」だけじゃない、もう一つの大切な役割があったんです。その秘密は、ずばり鮭の「生態」にあり!実は、私たちが食べている鮭とは、産卵のために日本沿岸に戻ってきた鮭を捕まえたもの。産卵期になると、卵をたくさん蓄えるため、胃も小さくなり絶食状態に。食べられない分、鮭は自らの体を分解してエネルギーを生み出し、故郷へと帰ってきます。その際の副産物として「水分」が生じるので、鮭の身は水分多めの状態に。そこで、「塩」の出番です。塩の浸透圧を利用して、この余分な水分を抜いてあげると、身が締まるんです。こうすれば、旬の鮭をより美味しく食べられます!
減塩&激ウマを両立!生鮭で究極の塩焼きを
[材料]
2人分
- 生鮭(約90g) 2切れ
- 塩 適量(一般的には鮭の切り身の重量に対して1~2%)
[作り方]
- 切り身全体に塩をまぶし、バットなどに並べてラップをし、1晩冷蔵庫に入れる。
- 切り身から出た余分な水分を、ペーパーなどで拭きとり調理する。
【焼き方(参考)】
魚焼きグリル(両面焼き)を3分予熱してから切り身を入れ、強火で4分焼き、そのままグリル庫内で2分余熱をかけたら取り出す。
※グリルに切り身を入れる際は、身が厚い方を奥、位置は端の奥側に置く。
世界的シェフの「新食感」を家庭でも!サーモンの低温しゃぶしゃぶ
「世界の料理人1000人」にも選ばれた、イタリアン・奥田政行シェフが、なんと入浴中に思いついたという料理。それが、「サーモンの43℃調理」!刺身用サーモンを、43℃という絶妙な温度で加熱することで、タンパク質が固まるか固まらないかの「新食感」を生み出すことができるという。今回番組では、奥田さんの調理法からヒントを得て、家庭でも簡単にこの新食感を楽しめるレシピを考案。その名も、「サーモンの低温しゃぶしゃぶ」!
[材料]
- サーモン(刺身用) 1さく
- 塩 適量
- 水 1800mL
[作り方]
- サーモンを5mmのそぎ切りにし、全体に塩をまぶして10分間放置する。
その後、出てきた水分と余分な塩をペーパーでふき取る。 - 土鍋に分量の3分の1の水(600mL)を入れ、フタをして強火にかける。
フタから蒸気が勢いよく出たら火を止め、 残りの水を加え温度ムラがないよう全体を混ぜる(湯温およそ60℃になる)。 - 切り身を箸で持ち、鍋の中で泳がせる(しゃぶしゃぶする)。
取り出す目安はおよそ15秒。 身がうっすら白くなり、ほぐれる手前(身の中心温度がおよそ40℃になる)。
なお、スタジオで試食の際に登場したタレのレシピは以下の通りです。
【材料】
- レモン汁 1個分
- 水 大1
- 砂糖 小1
- 塩 小1
- ごま油 小1
- しょうゆ 小1と1/2
- こしょう 適量
【作り方】
上記の材料をすべて混ぜ合わせる
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