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【社会】

個人タクシー自宅住所 経産省がアプリに掲載 数百件、事業者困惑

 消費税増税に伴うキャッシュレス決済のポイント還元制度を巡り、対象店舗を地図上で検索できる経済産業省のスマートフォン向けアプリやホームページに不備が相次いでいる問題で、アプリ上に個人タクシー運転手の自宅住所や携帯電話番号が数百件掲載されていることが分かった。

 個人タクシー運転手は通常、自宅で営業活動はせず、専門家は「個人情報に当たる」と指摘する。だが経産省は「事業所として登録された住所は公開が前提で個人情報ではない」として、削除申請を受けて一週間経過しても対処していない。

 アプリに載せる情報は、運転手側が決済事業者のシステムを通じて登録申請する仕組み。この時に「移動販売」を選ぶとアプリ上の地図に表示されなくなるが、米スマホ決済サービス大手「スクエア」の場合、申し込み画面では選択できないようになっていた。同社は九月三十日、法人タクシーを含む約千件の住所の削除を経産省に申請。他のスマホ決済大手の「楽天ペイメント」「コイニー」も、移動販売を選択せずに登録した運転手がいたとして一部削除を申請している。

 福岡市の個人タクシー運転手の男性(57)は「自宅の住所まで出ると知っていればポイント還元に登録しなかった」と早期削除を求めた。個人情報保護に詳しい立命館大の上原哲太郎教授(情報セキュリティー)は「アプリの地図に住所が表示されることを運転手にきちんと知らせる必要がある」と話す。

 

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