ソニーPS5、20年末発売、7年ぶり新機種-コントローラーに特徴
天野高志、古川有希- 触覚技術を搭載、ゲーム内の衝突などの反応を手で感じることが可能
- ゲーム事業は今期営業益2800億円の見通し、スマホゲームとの競争も
ソニーは次世代ゲーム機の名称を「プレイステーション 5」(PS5)に決定し、2020年の年末商戦期に発売する。新機種発売は13年11月以来、7年ぶりとなる。
8日夜の発表によると、PS5はゲーム機を操作するコントローラーに特徴がある。従来の振動技術に代わりハプティック(触覚)技術を搭載し、レース中に車がぶつかるなどのゲーム内の反応を手で感じることができるという。抵抗を感じさせるアダプティブトリガーと呼ばれるボタンも新たに採用し、ゲーム中で弓を引いたり車を加速したりする際の感覚が再現される。
ゲーム子会社、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のジム・ライアン社長は、ゲームへの没入感の進化を実現するために、「コントローラーを再考する必要があった」とコメントを発表した。
ゲーム事業は、ソニーの収益源となっており、今期(2020年3月期)は半導体や金融を大幅に上回る2800億円の営業利益となる見通し。現機種のPS4は6月30日時点で累計販売台数が1億台を突破した。
ただ任天堂や米マイクロソフトなどゲーム機ビジネスを展開してきた同業他社に加え、スマートフォンやタブレット端末で行うゲームも普及し、競争は激化している。マイクロソフトは20年末に次世代機を発売する。
シティグループ証券の江沢厚太アナリストは英文リポートで、今回の発表は「ポジティブに見ている」とし、PS5の発売によって「次の収益サイクルへの期待が生まれる」と指摘した。
PS5は、専用SSD(ソリッド・ステート・ドライブ、記憶装置)を採用し、データの読み込み時間が短縮する。米半導体アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)社製カスタムチップセットを搭載している。高画質の8Kに対応する。
PS4のタイトルとの互換性実現に向けた設計をするほか、仮想現実(VR)端末「PSVR」にも対応。ゲームディスクとしての容量は100GBとなる。
エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは電話取材で、PS5の性能が「投資家の期待値に見合ったものになっている」との見方を示した。発売時期についても想定内だという。今後は、ゲーム機のデザインや新たな遊び方が提案されるかどうかに注目している。