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 シリア内戦をめぐり、トルコ軍は9日、敵視する少数民族クルド人の武装組織「人民防衛隊」(YPG)が支配するシリア北部への越境作戦に踏み切った。過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦でYPGを支援してきた米国の対応が注目される。今回の軍事作戦はシリアの和平への影響も必至だ。

 トルコのエルドアン大統領は9日、ツイッターで「平和の泉」と名付けた軍事作戦の開始を宣言。地元メディアによると、シリア北部で空爆や砲撃を行った。トルコ軍は国境の町アクチャカレなどに部隊を集結させている模様だ。

 トルコは、YPGを自国で分離独立を目指す非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)と一体のテロ組織に認定している。内戦の混乱に乗じ、YPGがトルコ国境沿いのシリア北部で支配地域を広げることに危機感を募らせてきた。トルコは16年と18年にユーフラテス川の西側地域への越境作戦を実施しているが、YPGの「本丸」とも言える東側地域での作戦は初めてとなる。

 クルド人勢力は徹底抗戦の構え…

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