糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの
10月08日の「今日のダーリン」
・もう絶対に破れない記録をたくさん残して、
金田正一投手は遠くへ行かれました。
ぼくはお会いしたことはありませんが、
マウンドに立ってその試合を支配している姿を、
ひとりの子どもとして観戦していたことがあります。
金田さんの記憶は、数字の記録によって確かめられます。
何年か前のことですが、すっかり老人になったぼくは、
金田正一投手の通算400勝という記録のことが、
あらためてとんでもない数字だと気づき、
そんなことが可能だったかどうか、
じぶんの頭で考えてみたいと思いました。
だって、年間20勝しても(現在ではほとんど無理)、
それを20年続けなければ400勝にならないんですから。
いまのプロ野球のイメージではありえないことですが、
ほんとうに、事実としてあったんです。
1950年からスタートして、1969年までの20年間。
8勝、22勝、24勝、23勝、23勝、29勝、25勝、28勝、
31勝、21勝、20勝、20勝、22勝、30勝、27勝、11勝、
4勝、16勝、11勝、5勝と勝ち星をあげています。
足し算すると400勝、まちがいありません。
では、と、おとなになったぼくはさらに考えるわけです。
400勝の投手は、奇跡のような記録を残しましたが、
敗戦投手になった回数は、どれくらいなのだろうか?
これも、調べたらすぐに出てしまいます。
400勝投手の敗北の数は、ほぼ300の、298敗でした。
7試合したら、4試合勝って3試合負けるという勘定です。
勝率でいうと5割7分3厘です。
星取表のように図にしたら、以下のようになります。
○●○●○●○ ほとんど「勝ったり負けたり」ですね。
偉大な成績の、伝説の投手でも、
400勝の大記録には、裏地のような298敗があるのでした。
ぼくのこどもっぽいイメージとしては、
400勝って、100敗くらいのつもりだったのですが、
それより200も余計に負けているのです。
これ、実はぼくはすばらしいことだと感じています。
いちばん負けた人こそが、いちばん勝った人!
見事、最多敗戦記録保持者も金田正一投手だったのです。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ますます「接戦上等!」の意を強くしています。接戦大将!
金田正一投手は遠くへ行かれました。
ぼくはお会いしたことはありませんが、
マウンドに立ってその試合を支配している姿を、
ひとりの子どもとして観戦していたことがあります。
金田さんの記憶は、数字の記録によって確かめられます。
何年か前のことですが、すっかり老人になったぼくは、
金田正一投手の通算400勝という記録のことが、
あらためてとんでもない数字だと気づき、
そんなことが可能だったかどうか、
じぶんの頭で考えてみたいと思いました。
だって、年間20勝しても(現在ではほとんど無理)、
それを20年続けなければ400勝にならないんですから。
いまのプロ野球のイメージではありえないことですが、
ほんとうに、事実としてあったんです。
1950年からスタートして、1969年までの20年間。
8勝、22勝、24勝、23勝、23勝、29勝、25勝、28勝、
31勝、21勝、20勝、20勝、22勝、30勝、27勝、11勝、
4勝、16勝、11勝、5勝と勝ち星をあげています。
足し算すると400勝、まちがいありません。
では、と、おとなになったぼくはさらに考えるわけです。
400勝の投手は、奇跡のような記録を残しましたが、
敗戦投手になった回数は、どれくらいなのだろうか?
これも、調べたらすぐに出てしまいます。
400勝投手の敗北の数は、ほぼ300の、298敗でした。
7試合したら、4試合勝って3試合負けるという勘定です。
勝率でいうと5割7分3厘です。
星取表のように図にしたら、以下のようになります。
○●○●○●○ ほとんど「勝ったり負けたり」ですね。
偉大な成績の、伝説の投手でも、
400勝の大記録には、裏地のような298敗があるのでした。
ぼくのこどもっぽいイメージとしては、
400勝って、100敗くらいのつもりだったのですが、
それより200も余計に負けているのです。
これ、実はぼくはすばらしいことだと感じています。
いちばん負けた人こそが、いちばん勝った人!
見事、最多敗戦記録保持者も金田正一投手だったのです。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ますます「接戦上等!」の意を強くしています。接戦大将!