最新記事

南米

エクアドルで反緊縮策の大規模デモ、先住民が首都に行進

2019年10月8日(火)14時54分

エクアドルで政府の緊縮財政政策に反対する先住民の大規模な抗議デモが5日目に突入し、数千人が各地で道路を封鎖するとともに、首都キトに向かって行進する事態となっている。写真はキトに集まった人々(2019年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)

エクアドルで7日、政府の緊縮財政政策に反対する先住民の大規模な抗議デモが5日目に突入し、数千人が各地で道路を封鎖するとともに、首都キトに向かって行進する事態となっている。過去数年間で最も大きな騒乱で、これまでに477人が拘束された。

エネルギー省によると、国営石油会社が操業する3カ所の油田施設が「部外者」に占拠され、石油生産にも支障が出ている。

エクアドル先住民連盟(CONAIE)は、モレノ大統領が先週打ち出した燃料補助金撤廃(実質的な燃料価格引き上げ)を取り消すまで、デモを続けると宣言した。こうした動きと呼応する形で、9日には労働者の全国的なストライキも予定されている。

一方モレノ氏は、社会の秩序の混乱は認めないし、経済改革の一環である燃料価格引き上げ方針も撤回しないと表明した。

キトの南端に徒歩やトラック、バイクなどで到着した約7000人の先住民らは、地元の人々から大歓迎され、食料や水を提供されているのが目撃された。キトで暮らす退役軍人の男性(58)は「大統領は国民を痛めつけている。緊縮措置は大打撃で、モノの値段が高くなっても賃金は上がらない」と怒りをあらわにした。

ロモ内相はラジオ番組で、拘束した477人は主として救急車12台の破壊を含めた暴力行為が原因だと説明した。

[キト 7日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20191015issue_cover200.jpg
※10月15日号(10月8日発売)は、「嫌韓の心理学」特集。日本で「嫌韓(けんかん)」がよりありふれた光景になりつつあるが、なぜ、いつから、どんな人が韓国を嫌いになったのか? 「韓国ヘイト」を叫ぶ人たちの心の中を、社会心理学とメディア空間の両面から解き明かそうと試みました。執筆:荻上チキ・高 史明/石戸 諭/古谷経衡


MAGAZINE

特集:嫌韓の心理学

2019-10・15号(10/ 8発売)

日本人はいつから韓国が嫌いになったのか? 心理学とメディア分析で「嫌韓」を分析

人気ランキング

  • 1

    写真撮影で「怪しいOKサイン」を出したテーマパークのスタッフが解雇

  • 2

    「OK」のサインは白人至上主義のシンボルになったので、一般の方はご注意下さい

  • 3

    「独島が韓国の領土であるとの証拠は何もない」韓国ベストセラー書の衝撃的な内容

  • 4

    低成長、消費増税、少子化......それでも日本人は楽…

  • 5

    なぜ韓国の若者は失業に苦しみ続けるのか

  • 6

    「韓国は米国に本当のことを教えろ」北朝鮮非核化で…

  • 7

    『ジョーカー』怒りを正当化する時代に怒りを描く危…

  • 8

    ツイッター動画が人生を変えた......ホームレス・シ…

  • 9

    韓国で長引く日本製品不買運動、韓国企業への影響が…

  • 10

    北朝鮮漁民は「100年前の船」で無謀な出漁......日本…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月