「あいちトリエンナーレ2019」内の企画「表現の不自由展・その後」が再開した8日、名古屋市東区の会場では、トリエンナーレ出品作家有志でつくる「ReFreedom Aichi」による扉の作品が注目を集めた。
「自由を奪われた経験」を来場者にカードに書いてもらい、扉に貼っていく「参加型アート」。8月4日に不自由展が中止された後、展示室をふさぐ扉に手書き文字で並べてもらった。10月8日の再開を受け、この日までに寄せられたカードとともに扉を10メートルほど移して展示を継続している。表現を遮断した扉が人の心の扉を開こうとしている。
「発達障がい者への差別 働く自由をくれ」「僕はゲイです。今、生まれて初めて言葉で書きました」「在日がなかったことのようにふるまわれる。もう3世。日本人も在日もみんな幸せになってほしい」。
性差の不合理に耐える言葉も並んだ。「友人が(職場で)産休育休とるならやめてもいいよ、代わりはいるからと言われた。(職場は)ちゃんと制度を使ってくださいという」「いつ産むのか父に期待されてつらい。自分の人生なので自分で決めたい。実家を継ぐのが自動的に弟だった。男だったら地元で農業をしたかった」