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【社会】不自由展再開 会場厳戒、芸術とは? 限定60人、手荷物検査、金属探知機
八日に再開にこぎ着けた「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」。愛知芸術文化センター(名古屋市)の会場は厳重な警備が敷かれ、入場者も抽選制となったが、来場者は作品に触れることであらためて芸術の意味を考えた。 入場は一回三十人の入れ替え制で、二回実施。長蛇の列ができた入場希望者に番号が入ったリストバンドが配られ、モニターで当選番号を表示した。当選者は係員に荷物を預け、財布やスマートフォンなどの貴重品を透明なビニール袋に入れて展示室へ向かった。入り口では警備員が金属探知機で一人ずつチェック。検査を受けた三重県菰野町の僧侶、土方英俊さん(42)は「緊張しました」。
二回目の入場では、昭和天皇の肖像をコラージュした版画を燃やす場面がある映像作品が放映された。横浜市の女性(23)は「政治性は強いなと思ったけど、表現としてありだと思う」。上映が終わると拍手が起きたという。 名古屋市中区の六十代の女性は「目くじらを立てるほどの際どい内容とは思わなかった」と語った。議論の的となっている少女像の隣のいすに座ったといい、「自分より小さくて、胸が熱くなった」と話した。 一回目の鑑賞後、展示室で議論の場も設けられた。「これは芸術と認められない」「現代アートは万人に受け入れられるものではない」など熱弁をふるう人もいたという。 来場した愛知県豊山町の小出裕之さん(61)。「疑問が解消されたとまでは言えないが、いろんな意見に触れられて良かった」と話した。 PR情報
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