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【社会】

不自由展2カ月ぶり再開

 愛知県の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で企画展「表現の不自由展・その後」が八日、約二カ月ぶりに再開された。元慰安婦を象徴する「平和の少女像」などへの抗議が殺到し、開幕三日で中止に追い込まれた不自由展は芸術祭側、不自由展側の双方が少女像を含む全作品を元の状態で展示することや安全対策で合意し、ようやく再開にこぎ着けた。

 八日も再開反対の動きが続き、十四日の会期末を無事迎えられるかは見通せない。文化庁の補助金不交付決定も影を落とす。萩生田光一文部科学相は八日の会見で、不交付について「愛知県に不適当な行為が認められたことによる。再開の有無とは関係ない」と述べた。

 出展をボイコットするなどした国内外の作家十三組と一機関の作品は再開を受け、八日から元の形に戻った。芸術祭実行委員会によると、不自由展への入場は午後二時十分と四時二十分の二回実施。コンピューターによる抽選倍率は、各三十人の定員に対し最初が七百九人で二十三倍、二回目は六百四十九人の二十一倍に上った。

 不自由展は十六作家の二十三作品で構成。一部配置変更があったが、少女像や昭和天皇を扱った映像作品を含む全作品が原則元通りに展示され、実行委は「展示の同一性は担保されている」とした。

 安全確保のため、十分たつと電話が自動的に切れる仕組みで抗議への対策を図り、動画撮影や会員制交流サイト(SNS)への投稿は禁止。今後、写真をSNSに投稿しない誓約書を取ることも検討している。

 実行委は、八日夕までの一日で県などに約二百件電話があり、大部分が抗議だったとした。

 

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