ガメさんの件でApemanさんにお返事しとく

うちのブログにもよくいらしていた謎のガイジン、ガメさんがはてなブログをやめてしまった。
知らない間になにが起きたのか??と思ったら、どーもブログに書いた記事内容が都市伝説に根拠があるんじゃ的な、つまり真偽が疑わしいものを根拠に語っているということでid:Apemanさんから批判がきたことが発端らしい。

○Apes! Not Monkeys! はてな別館
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20100122/p1
■「ゴボウ」伝説、再び

ガメさんのブログは既に閉鎖されてしまったが為にそのエントリは紹介できないが、Apemanさんのブログに引用された記事から鑑みるに、「靖国」批判を行ってきた左派に対する悪口めいた否定的文言、並びに戦時下において捕虜にごぼう食わせた等のエピソードに基づいた日本人批判がされていた模様。

まぁ、なにかを批判するのであるならばきちんと根拠があるものに基づいた批判をせよというのは当然であり、Apemanさんの批判には同意できる。また左派論客たちの靖国問題意識を矮小化されれば怒るのも無理はない。

上記エントリで、Apemanさんは丁寧な反論記事を書いており、その点でガメさんのエントリに対し誠実に答えている。反証を行うならば相応の論拠を提出しなくてはならない。それを行えないならば「正直、済まんかった」で済む話であったが、どうもガメさんははてなブロガーモヒカン族の容赦ない論理世界には耐久性がなかった。

はてなブロガーのモヒカン族は大変に論理マッチョなんで、わたくしのごときへたれは大人しく「首都が寒い」とか「Mac買ったんでうれぴー」とか言っているのが分相応である。

さて、ことが難しくなったのは、ガメさんの実態がネット人格と違うのではないか?という指摘がなされたことが絡んでいるようだ。

つまりまぁ偽ガイジンではないか?という指摘である。山本七平イザヤ・ベンダサンの名を騙りユダヤ人に成りすまし日本人批判を行ったりしたアレと同様ではないか?という指摘である。

Apemanさんは「似非ガイジン」の弊害を懸念したようだ。

正直、私にはガメさんがどういう人なのかその実態は知らない。似非なのか申請通りなのか、それは証明できない。ゆえに「似非」であると判断する論拠もないが、真である論拠もない。ガメさんが「王国連合」だとか「ニュージーランド」だとか言ってるのもよく判らなかったので、ガメさんは「ネット上のガメさん人格」としてしか認識していない。つまりガメさんの出自に関しては、外国人か日本人かという真偽は結局のところ「判らない」。「日本語がやたら上手すぎる自己申請ガイジン(王国連合とかニュージーランドとか人)」という概念しかないのである。

そういうわけで以下のブコメをつけたところ・・・

antonian ネット, ヲチ 真偽は藪の中。まぁ「芸」を生暖かく見るくらいはしてもよいと思う。しかし「ごぼう」論争は資料提示に関して議論手続きの問題があった。が、それは別のレイヤーで批判されるべし。
http://b.hatena.ne.jp/entry/anond.hatelabo.jp/20100130155001

・・・以下のようにApemanさんから批判が来たのである。

Apeman あなたはイザヤ・ベンダサンについても「まぁ「芸」を生暖かく見るくらいはしてもよいと思う」と思うのか? 返答次第では、ピオ12世についても同じスタンスなのだと判断させてもらう。
http://b.hatena.ne.jp/entry/b.hatena.ne.jp/entry/anond.hatelabo.jp/20100130155001

ええと、なんでこの文脈でピウス12世が出て来るんだ?「ガメさん、似非ガイジン」疑惑に、自称ガイジンで日本人を惑わした「ユダヤ人」イザヤ・べンダサンは当然だとしても、ピウス12世は「騙り」ではない。彼が批判されるのは彼の名において起きた問題であり「戦時下で欧州人に影響力のあるカトリック教会の代表である教皇ユダヤ人の問題をスルーしていた」ことの批判で為される話であるとは思うが、なんせわたくしはイザヤ・べンダサンというペンネームの本を読んだことがないんでイマイチ、その懸念の関連がよく判らん。単なるユダヤ繋がりなのだろうか?よく判らない。

でまぁ、上記ブコメにお返事を書きましたが言葉足らずになるといけないので一応説明しとこうかと思って。

Apemanさんは外人の文言を有難がる日本人の性情を利用した山本七平、それもユダヤ人を名乗ったイザヤ・べンダサンに対し批判的であるようだ。ガメさんに同様のものを見たようである。わたくしはナニ人であろうと(これはガメさんにも言ったが)書かれた「言葉」をどこかで信じてないというトコがあり、まぁ出自申請に関してもどうでもよかった。「日本語を操るブロガー」の一人としては捉えていた。外国事情に詳しいようなので面白いというか、外国人なら当然であるし、騙りならまぁそれなりに外国事情に詳しい人だろうというか。とはいえ、一応、自己申請では「外国人」であるというので、わたくしはそのように理解していた。どこの国の人かよく判らないけど外国人。

ただ、現時点では、上記に記したとおり、結局のところ真実はわからない。わからない時点で、英文や日本文のあり方がどうだという状況証拠的な推論だけで「騙りである」という前提には与したくはない。但し、否定もできない。つまりガメさんの「ごぼう」発言同様、これも今のところ決定付ける決定的な論拠がない。山本七平のごとく自己申請してるわけでなく、まぁ「どっちなんだろうね?」という感じか。
マジに騙りなら「よく、別人格をあれだけ長い時間、持続させたなぁ」と感心するし、申請通りならすこぶる気の毒である。

ただ、ガメさんのブログの書かれていた内容に関しては、感想としては「そうそう」と頷けるものもあれば「ええ?それってどうよ?」とか「言い過ぎじゃねーの?」ってのもあったが、提示される問題はそれなりに面白かったと思う。(まぁ、言い過ぎなんじゃねーの?と正直にコメに書いたら一時期、絶交されたけど。笑)

ゆえに出自がどうであれ、愉しんでいてもいいとは思っている。つまり「ガメ・オベール」というハンドル名の一個人の見解ブログとして。

ただApemanさんがイザヤ・べンダサン的存在の弊害をどのように捉えているのかは興味深い。ログを全部追えば判るのかもしれないですが、まだログ辿り途上中で済みません。

個人的にはガメさんのブログは面白かったし、好印象は変らない。

ゆえにはてなーにボコボコにされているのは可哀想だなぁとは思うが、マスで為された言論責任というのは、実は大変である。ブログにナニか主張を書くことというのは常になんらかの批判を蒙る。様々な価値の違う人間がダイレクトに応答できるシステムであるが故であり、それがネットのよさでもあり恐ろしいところでもある。ゆえに相応の覚悟が必要になる。自ずと自分の言論にもシビアにならねばいけなくなり、それを貫くのはしんどいとは思う。私のようなへたれはなるべくやりたくないっス。

まぁとにかく元気でいて欲しい。

Add Starportulaca198SokalianSokalianmorimori_68zaikabousuganokei
  • 夢之介

    庵さんご無沙汰してます。
    相変わらずカトリック保守派におりますが、だんだんに
    祈りの中で信仰による保守派でいたいと思うようになって
    きました。
    左を批判してもその左が反省してもうちょっと右になって
    くれるわけでもなく・・・。
    そんな心境の今日この頃です。

  • /éipmæ̀n/ (id:Apeman)

    antonian さん

    お返事ありがとうございます。しかしながら私の言わんとするところが十分に伝わっていないようです。
    まずピオ12世を引き合いに出したのはこういうことです。仮に(仮に、ですよ)外部からの批判を踏まえてバチカンが「ピオ12世を将来聖人に列することはしない」と決定したとします。その時、カトリックの信徒のあいだで人気を集めているユダヤ人ブロガーが「カトリックはピオ12世なんて教皇はいなかったことにすべ、とゆいだした。そーゆーのをゴツゴーシュギというんじゃ、ボケ」と発言したとして、あなたはそれをも「芸」として「生暖かく見る」のですか? と言うことです。
    そもそも

    >「ごぼう」論争は資料提示に関して議論手続きの問題があった
    (http://b.hatena.ne.jp/entry/anond.hatelabo.jp/20100130155001)

    というご理解自体が、私にとっては不本意です。BC級戦犯裁判については必ずしも十分な根拠のない(学問的研究自体がA級戦犯裁判に比べて遅れていることもあって)否定的なイメージが定着しており、それが日本の戦争犯罪を相対化するダシに使われてきました。「ゴボウを食べさせただけで死刑」というのは、常識的に考えれば極めて異様なはなしです。書く側も読む側もそれに疑問を持たなかったのは、上述したようなBC級戦犯裁判のイメージのためであり、ガメ氏のエントリはその再生産に加担していたわけです(しかもNZ人がそう言う、というふれこみで)。これは本来、靖国の件とともに「歴史認識」の問題であり、「手続きの問題」は副次的なものに過ぎません。

  • MIKI

    はじめまして。ここで書き込みするのは筋違いかもしれないので、迷惑でしたら削除していただきたいのですが、ゴボウの話、実は私も聞いたことがあります。
    見るともなしにつけていたテレビ(アメリカの番組)で、日本料理の紹介をしていたものではなかったかと思うのですが(あんまり覚えていない)
    ゴボウがでてきたときに、ひとしきり植物の根であり、体に良いなどの話の後、昔は捕虜の人たちはゴボウを知らなかったので、木を削って食わされた(木の根だったかな?)、捕虜虐待だということになり死刑になってしまった人がいるというようなエピソードを話していたようにぼんやりですが、記憶しています。
    私は、「ありえるかも」と思ったのですが・・・
    あんとに庵さん。すみません。まずければ消してください。

  • もっと読む