大学生よりも優秀?高専生が注目される理由

技術者や研究者として必要な行動力がある

高専ロボコン2018関東甲信越地区大会の様子 (写真提供:国立東京工業高等専門学校)

高専をご存じだろうか。工業高専と言われることも多いが、高等専門学校のことだ。いちばんの特徴は中学校卒業後、5年間学ぶ一貫専門教育だ。高校3年、大学4年で計7年間を要する大学工学部レベルの教育を、重複なく5年間で完成する一貫教育を行うことを標榜してきた。そうした高専だが、学歴的には短大卒と同じであるため、高学歴化が進む状況から入学希望者が落ち込む傾向があった。

しかし、最近では、高専生が有能な人材として再認識され始めている。従来、産業界からは技術者としての評価は高かったが、近年、大学工学系の教授らが大学生より高専生のほうが優秀だということを公言している。今話題のAI活用研究などで成果を上げ、評価が高いのだ。

なぜ高専生の評価が高いのか?

高専生の評価が高く、逆に大学生が期待されていないとしたら、現在の技術系教育はどのような問題を抱えているのか? 筆者も現在は大学で社会科学分野を研究・教育する立場にいるが、東京高専機械工学科の卒業生だ。自身の経験も踏まえて考えたい。

高等専門学校は「実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関」とされている。高校と同じように、中学校卒業後の進学先として位置づけられているが、異なるのは5年一貫教育となっており、一般科目も学びながら専門的な知識や技術を身に付けることができる。

一般の高校生が大学に入ってから専門を学ぶのに対して、入学直後から専門科目を配置し、大学受験を経ずに、専門分野を学べるシステムだ。創設されたのは高度経済成長期の1962(昭和37)年で、経済成長が著しいなか、技術系人材を早く社会に送り出したいという社会的要請もあった。

現在、高専は57校あり、国立51校、公立3校、私立3校だ。多くが国立であるのが特徴で、国立高専の名でも知られる。高学歴化が進むなかで、1976年には高専生の進学先として長岡技術科学大学、豊橋技術科学大学が開学し、1991年には5年間の本科の上に2年間の専攻科も誕生した。

次ページ高専生はどんなキャリアパスを歩むのか
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
  • ミセス・パンプキンの人生相談室
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • iPhoneの裏技
  • 賃金・生涯給料ランキング
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
8

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
  • 40代既婚女性5a6ef678b8b6
    子供が高専に在籍している母親です。1年次から数学のスピードが速いので、単位を落とすケースもあり、留年も多く、退学者も高校に比べたらかなり多いのではないかと思います。
    それと、学校数もそれほどないので、寮暮らしを中学卒業と同時にすることに不安を感じる親御さんも多いのではないでしょうか。
    3年次までは、高校に沿ってカリキュラムを組まれている面もありますが、4年次から、大学と同じように第2外国語や哲学、法学、経済学などの授業もあり、5年次では卒業研究などあります。
    就職も良い所に行ける方が多いです。大学編入に関しては、やはり勉強を頑張るのは当たり前のことで、頑張っていない人は編入もうまくいかないようです。
    自分の子供をみて思うのは、寮生活で自立出来たことが良かったと思います。
    いずれにしろ、中学の時点で将来のことを考えることは大事だと思いました。
    up27
    down0
    2019/10/8 10:43
  • とくになし62422c89b2d9
    今どきの大学生、偏差値が55以上の理系でさえ楽単希望で、勉強したがらない。指示された以上のことはしないのがABC分析のAとBの割合でしょう。記事にある高専卒編入の方がめっちゃ優秀です。
    up18
    down0
    2019/10/8 10:30
  • といざヤす9fb97ee2a27b
    高専生は、技術系に関しては、大学生よりも優秀かもしれません。おっしゃるとおり行動力もあるでしょうね。
    ただ、理系の基礎部分、また文系理系が融合した分野については、それほどでもないかもしれません。

    また、今どき大学生はスマホで欲求が満たされているので行動力がないと記事にありましたが、音大美大など芸術系も、自分のアタマで考え、なかなか行動力があると聞いたことがあります。

    昔の人は、よく言いました。
    「人材は、意外なところに隠れている」
    「すぐに使えるニンゲンは、すぐに使えなくなる」
    ところが、ぐろ~ばるの世の中で、すぐに稼げるニンゲン、もっと稼げるニンゲンがもてはやされています。
    高専を悪く言うわけではありませんが、「ぐろ~ばるに稼げるニンゲンが一番エラい」の雰囲気は、若者の教育にはちょっとまずいかもしれないと思っています。

    up31
    down21
    2019/10/8 06:49
  • すべてのコメントを読む
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
AIに負けない<br>読解力を鍛える

AI(人工知能)が多くの仕事を代替しても、AIが不得手とする読解が必要な仕事は、今後も人が担うことになる。読解力を測るリーディングスキルテストを収録するほか、語彙力、論理力など、鍛えるためのメソッドを各分野の専門家が伝授。