共感と嫌悪が入り混じるが、紛れもなく21世紀初頭の世界を象徴する傑作だ。不寛容な社会で醸成される悲哀と絶望。愛など枯れ果てジョーカーが生まれるべくして生まれる様が、説得性を持ちつつ丹念に描かれる。バットマンとジョーカーが表裏の存在であることへの示唆は興味深い。ふと、敗戦直後の混沌を背景に、刑事と犯人に分かれた運命に言及する黒澤明の『野良犬』の台詞「世の中のせいにして悪い事をする奴はもっと悪い」を想起した。モラルで均衡を保つ状況を遥かに超える荒みきった今。真の善意を体現する者を描くことこそ、本作と現代社会へのアンサーだ。映画人は『ジョーカー』に拮抗しうるヒーロー映画を生み出さなければならない。
略歴: 映画評論家・クリエイティブディレクター●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX、ニッポン放送●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書に「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞、ギャラクシー賞、民放連最優秀賞 受賞
近況: ●「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」劇場パンフ寄稿●「ULTRAMAN ARCHIVES」企画構成取材●「シド・ミード展」未来会議ブレーン、図録寄稿●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」
サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/
『ザ・マスター』『ビューティフル・デイ』などのホアキン・フェニックスが、DCコミックスの悪役ジョーカーを演じたドラマ。大道芸人だった男が、さまざまな要因から巨悪に変貌する。
イラストレーターのあらいぴろよの実体験に基づくコミックエッセイを映画化。清楚を装いながら戦略的に男をその気にさせる“隠れビッチ”のヒロインの成長を描く。
芥川賞作家・平野啓一郎の小説を原作にした恋愛ドラマ。日本、パリ、ニューヨークを舞台に、共に40代の男女が惹(ひ)かれ合う姿を描く。
『ダイバージェント』シリーズなどのテオ・ジェームズらが出演したクライムムービー。美術品専門の泥棒が、詐欺師と組んで強奪計画に挑む。メガホンを取るのはマット・アセルトン。
直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の小説を実写映画化。若手ピアニストの登竜門とされる国際ピアノコンクールを舞台に、4人のピアニストたちの葛藤と成長を描く。
作家スティーヴン・キングの原作を実写化したホラー『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の続編。
人気アニメ「交響詩篇エウレカセブン」で発生した現象「ファースト・サマー・オブ・ラブ」について描かれる劇場版3部作の第3弾。
SFアクション『ターミネーター2』の続編。未来のためにターミネーターに立ち向かう人々を待ち受ける運命を映し出す。
『HiGH&LOW』シリーズと人気コミック「クローズ」「WORST」がクロスオーバーしたアクション。
自分以外はバンド「ザ・ビートルズ」を知らない状態になった青年の姿を描くコメディー。