【競馬・ボート・競輪】[競馬]凱旋門賞 日の丸トリオ完敗、突きつけられた厳しい現実2019年10月8日 紙面から
【パリ7日・山本諭、刀根善郎】競馬の世界最高峰レース「第98回凱旋門賞」(GI・芝2400メートル)は6日、新装2年目のパリロンシャン競馬場で12頭が出走して行われ、ブドー騎乗の地元フランスのヴァルトガイストが史上初の3連覇を目指したエネイブルを差し切って昨年4着の雪辱を果たした。日本馬ではキセキが最先着の7着、ブラストワンピース11着、フィエールマン12着と惨敗。前日からの雨で馬場が悪化し、欧州特有の質の重い馬場に苦闘。高速決着が主流の日本馬に重い課題が提示された。また武豊騎乗のフランス馬ソフトライトは6着だった。 最後の直線、スミヨンのアクションにキセキは何とかこたえようした。だが、前との差はどんどん開いていった。日本馬最先着とはいえ、完敗の7着。欧州馬の壁は厚く、頂点は遠かった。 「いいレースだった。ずっとヴァルトガイストの隣を走っていて、3~4コーナーまで順調だったけど、直線でスピードを上げることができなかった」とスミヨンは振り返った。やや遅れ気味のスタートから道中は中団の内。「思った競馬じゃなかった。ちょっと後ろだった」(角居師)と理想の好位につける形ではなかったにしろ、伸びきれなかった。 「パリロンシャンの馬場は特殊でこの粘り強い馬場はキセキには適していなかった」とスミヨンは敗因の一つに馬場を挙げた。馬場が渋るのは歓迎のはずだったが、前日は夕方に強めのにわか雨があり、当日も午前中は雨。発表は不良馬場の一歩手前の重馬場だったが「この馬場を走るとすれば馬が大きすぎたかも」(角居師)と日本とはまた違った質の重い馬場に苦しんだともいえる。レース後、馬はすぐに息が入ったといい、全力を出し切れなかった。 「わたしはあまりチャンスはないですけど、日本の馬が勝てるようにチャレンジしてくれることを期待している」。2021年2月に勇退を決めている角居師は日本勢がいずれ勝つことを願っているが、自身も来年ラストチャンスは残っている。サートゥルナーリアなのか、再びキセキなのか、期待は膨らむ。 ◆「普段と変わらない」キセキ一夜明け
凱旋門賞7着のキセキはレース後、シャンティイ調教場の厩舎に戻り、一夜明けた7日は馬房で過ごした。担当の清山助手は「結果は残念だったけど、タフな馬場コンディションの中、レースをしてきたことを思えば、普段と変わらない感じでした」と疲れを見せていないことにホッとしていた。今後は8日にフランスを出国し、9日に日本に帰国することになっている。
PR情報
|