台風19号2019年ヨーロッパ予報とアメリカ軍の進路予想図

米軍JTWCの進路予想図は非常に強い台風が上陸

　上の引用画像とテキスト文は米軍の合同台風警報センターの
10月6日の午後6時（ JSTに修正 ）現在の衛星画像と、熱帯低気圧の最新情報である。

以上の米軍JTWCの最新情報からは、2019年10月11日の午後3時には台風19号の最大風速が毎秒69.39m/sメートルの猛烈な強さに成長している。

アメリカ軍の台風19号の警告文も猛烈な強さに

　次に、米軍JTWCが10月6日の午後6時（ JST日本標準時に修正 ）に発行した台風19号の英文テキスト情報から。

上の英文テキストの台風19号の警告文#5を、ひとつひとつ読み解いていこう。

まずは、2019年10月6日の午後3時（ JST ）時点の位置は、北緯14.2°N、東経154.1°Eとなる。

上の台風19号の位置であると推測される存在位置は、フィリピン海の東の海上にある。

北マリアナ諸島のグアム島やテニアン島よりも東の場所で沖縄県糸満市の南端から、3,049.28km
（ 1,894.74マイル ）南東の海上に位置（ POSITION ）する。

移動（ MOVING ）の方角は、ほぼ西の方向（ 260° ）で進む速さは時速31キロ（ 17KNOTS ）と、競技用自転車のロードバイク並の速さだ。

また、2019年10月11日の午後3時（ JST ）時点の最大風速は秒速69m/sメートルなので、気象庁の階級でも「 猛烈な 」強さに成長する。

存在位置も沖縄県にある米軍嘉手納基地から約591キロの距離にまで最接近する予報となっている。

むろん今後は予報が変わる可能性も十分に考えられるので最新情報には留意されたい。

ヨーロッパ予報の最新情報で7日の気圧配置図

　次に、10日先までの台風の進路予想図を公開しているヨーロッパ中期予報センターの、2019年10月7日の月曜日の気圧配置図から。

上の画像は、7日の午後9時（ UTC世界標準時から+9時間でJST日本標準時に変更 ）ヨーロッパECMWFインドネシア東アジア地域の
気圧配置図だが、すでに発達した台風17号がフィリピン海に確認できる。

前回の気圧配置図とは、まったく様子が違い恐ろしいまでの発達を続ける台風19号ハギビスが確認できる。

7日以降も成長しながら日本列島に向かう予報だ。

10月8日のヨーロッパ予報ECMWFの進路予想図

　8日の月曜日の午後9時時点のヨーロッパ中期予報センターの気圧配置図は、
さらに強い台風に発達しながら日本列島に近づいている状態が確認できる。

昨年の2018年には10月に1個だけ台風26号イートゥーが発生している。↓

10月9日のヨーロッパ予報の台風19号の画像

　9日の水曜日の気圧配置図は台風19号が「 猛烈に強い 」勢力にまで発達していることが、
黄色から紫まで色分けされた最大風速の一覧表からも確認できる。

むろん今後は進路予想図に変動があるので最新情報を、こまめにチェックして頂きたい。

10月10日の気圧配置図は強い勢力のまま北上

　10日の木曜日になると、さらに発達した台風が九州地方に近づいている様子が見えるが、
米軍も気象庁も「 猛烈な強さ 」に成長している予報を発表している。

10月11日には猛烈な強さで九州地方に最接近

11日の金曜日には猛烈な強さに発達した台風19号が九州地方に、
もっとも接近する予報図となっているが、米軍JTWCも気象庁も
ほとんど同じ強さに成長しながら移動する進路予想図を描いている。

10月12日に猛烈な強さで近畿地方に最接近

　10月12日の土曜日の午後9時には、猛烈な強さを維持した台風19号ハギビスが近畿地方に最接近する。

この進路予想図は米軍JTWCも気象庁も出していないが、驚異的な画像であり
もしこの経路で猛烈な強さのまま関西および西日本方面に近づくとなると甚大な被害が予想される。

10月13日のECMWF予報は衰退し北海道の東に

　10月13日の日曜日になると一気に北海道の東の海上に移動する気圧配置図となる。

しかし減衰してはいるが色分けされた台風19号の強さを見ると、
なおも「 非常に強い 」勢力を保っている深緑色をしているのが分かる。

10月14日にベーリング海に抜けていく台風

　14日の月曜日の体育の日になると北海道の東からロシアの東の
ベーリング海に抜けていくが、なおも「 非常に強い勢力 」を保っている。

10月15日になり日本列島に影響がなくなる

　15日の火曜日になって、ようやく台風19号ハギビスは日本列島から遠ざかり影響がなくなる。

10月7日の時点では、ヨーロッパ中期予報センターの進路予想図だけが猛烈な強さのままの台風19号が日本列島の近畿地方に接近する経路図を公開している。

動く台風の進路予想図のウィンディで見る

　おなじみの「 Windy 」は、ヨーロッパ中期予報センターの気象データを
元に生成して、動く映像で台風の進路予想図を示している。

埋め込み画像はECMWFモードであるが、こちらは自動更新機能つきなので常に最新の情報が見れる。

気象庁発表の台風19号の予報を米軍と比較

　では、次に気象庁が発表している台風19号ハギビスに関する予報と米軍JTWCの進路予想図を比較してみたい。

気象庁公式ホームページ「 台風経路図/台風第19号 」[ https://www.jma.go.jp/jp/typh/1919.html ]を、
瓦版茨城のブログ運営者が加工して作成した。

米軍JTWCの進路予想図と比較しても、経路にそれほど大きな違いはない。

さらに強さに関しても米軍の方が、より強く発達する予想をだしているが気象庁も「 猛烈な 」台風に成長する予報を出している。

11日21時の予報/強さ 猛烈な/存在地域 日本の南
予報円の中心/北緯26度20分( 26.3度 )東経133度20分( 133.3度 )
進行方向、速さ/北西20km/h( 10kt )
中心気圧 915hPa/中心付近の最大風速 55m/s( 105kt )
最大瞬間風速 75m/s( 150kt )/予報円の半径 370km( 200NM )/暴風警戒域 全域600km( 325NM )

気象庁の最新データでは、2019年10月11日の午後9時の予報で台風19号ハギビスは「 猛烈な強さ 」にまで発達する。

中心気圧は915ヘクトパスカルと低く、最大風速は秒速55m/s（ 105ノット ）と極めて強い台風に発達する。

米軍JTWCが予報する135ノットまでには及ばないものの、気象庁の台風の「 猛烈な 」階級である「 54m/s105ノット以上 」に該当する。

猛烈な強さの19号の予報円の中心位置は北緯が26度20分( 26.3度 )、
東経が133度20分( 133.3度 )なので、以下にGoogleマップで表示する。↓

鹿児島肝属郡南大隅町佐多馬籠の佐多岬公園の南端から南南東に582km
（ 361.64マイル ）の東シナ海とフィリピン海の海上に進む経路図となっている。

あと誤解が無いように毎回、申し上げるが台風の予報円が大きくなる意味は「 予想のブレ幅 」が大きくなるからであって、台風そのものが大きくなることを示すものでは無いので念の為。

7つの気象機関の熱帯低気圧予報の進路比較

上の引用画像が、Multi-Agency（ 統合多機関熱帯低気圧予報 ）の7つの気象機関による台風19号の進路予想図の比較である。

米軍JTWCおよびヨーロッパ中期予報センターECMWFを含む、どの気象機関も一致して太平洋の海上から北上して四国地方へ向かっているのだが。

Multi-Agencyの7つの気象機関が、どこであるかは以下の記事で詳しく解説している。↓

台風19号の進路を変える太平洋高気圧の位置は

　猛烈に強い台風に成長する予報が出されている19号のハギビス[ hagibis ]の
進路予想図が以前よりも東にズレ出し、日本列島の本州の東海および
関東地方に直撃、上陸のルートに変わった。

ANNの動画で今村涼子気象予報士が言う様に、太平洋高気圧の強さによって台風の進路は変わる。

気象庁公式ホームページ「 天気図/実況・予想/日本周辺域 」[ https://www.jma.go.jp/jp/g3/index.html ]を、
瓦版茨城のブログ運営者が加工して作成した。

上の画像は10月7日の午後6時の気圧配置図だが、太平洋高気圧が日本列島の南に
大きく張り出していないことから、台風がそのまま北上する可能性が極めて高い。

基本的に低気圧である台風は、高気圧のある場所には入れず磁石のN極とN極、
水と油のように相容れないので高気圧の、へりに沿って進む性質がある。

日本列島の南には、暖かい空気と冷たい空気が、互いにぶつかり合って
停滞している状態を示す「 停滞前線 」がある。

台風19号が成長する条件の海面水温は何度？

気象庁公式ホームページ「 日別海面水温 」[ https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/db/kaikyo/daily/sst_HQ.html ]を、
瓦版茨城のブログ運営者が加工して作成した。

台風が成長するためのエネルギー源は温かい海水である。

上の気象庁の引用画像は10月5日時点のコンテンツだが、海面水温が26.5℃よりも高いと
台風が発達する条件の一つにはなるが、台風16号ペイパーが成長しなかったように
必ずしも強い台風に発達するとも限らない。

台風16号たまご卵の米軍とヨーロッパ予報の進路予想図と最新情報

　9月12日に気象庁が台風16号ペイパーの、たまごとなる熱帯低気圧aの発生を発表したが、いったん消滅後ふたたび15...

海面水温が高いだけでなく、その他もろもろの諸条件が複合的に重なって始めて台風は成長する。

10月に入って海面水温は低いと思われるだろうが、次章で紹介するEARTH気流の10月7日の午前0時の気象データでも30.9℃と高い。

だが台風が発達、成長するには海面水温の他にも対流圏下層で低気圧性渦度があることや
上空と地上付近の風の差が小さいこと、対流圏中層が湿っていて
気流の空気が乾燥していないなどの複数の条件が必要だ。

EARTH画像で見る台風19号の気流の現在位置は

　では次に、2019年10月7日の午前0時時点の台風19号の場所を、EARTH気流の画像で確認する。

10月7日の午前0時現在の気流の渦の中心位置は、北緯14.67°N、
東経が151.56°Eで、場所をGoogleマップで示すと以下の場所になる。↓

小笠原諸島の父島の南端から1,680.85km（ 1,044.43マイル ）南東の北西太平洋の海上に存在している。

台風19号ハギビスの卵たまごが発生した場所は

では台風19号ハギビス[ hagibis ]の、タマゴである熱帯低気圧が発生した場所は、どこだったのか？

上の米軍の画像はABPW（ abbreviated pacific western ）
北西太平洋地域のフィリピン海の東の海上で熱帯低気圧となる卵が発生した時の熱帯警告だ。

マーシャル島の東側とウェーク島の中間あたりの海上になる。

2019年10月5日の午前9時（ JST ）時点の熱帯低気圧の座標位置は、
北緯が16.4°N、東経が163.1°Eとなり台風19号の卵が発生した場所だ。

東京駅からは3,150.77km（ 1,957.80マイル ）離れた南東の海上で台風19号の、タマゴは発生している。

もし、たまごの状態から発達した台風19号が日本本土に上陸するとなると前回の台風15号ファクサイ以来となる。

台風19号ハギビス[ hagibis ]の名前の意味は

　台風19号が発生したときの名前は、もう既に決まっており「 ハギビス 」[ hagibis ]だ。

世界的な国際機関である「 台風委員会 」のターンテーブルの52番目に登録されている。

「 ハギビス 」を命名したのは、フィリピン王国で意味は「 素早い 」である。

「 すばやい 」は形容詞で動作が早いことを指す。

台風の名前というと、だいたい女性の名前や花や動物の固有名詞が使われるが、形容詞は珍しいなと思う。