電極付きの小さな風船がペコペコ膨らみます。
VRゴーグルのOculus Questはこれから、ハンド・トラッキング機能を実装することでコントローラーを不要とし、素手でVRが楽しめるようになります。これはVRへの垣根を低くし、もっと身近な存在にしてくれるスゴい進歩です。
しかし逆に、素手なのに手に何かが触れた・掴んだ感触がないというのは、ちょっと不思議なVR体験になるかもしれません。なので究極的には、映画『レディ・プレイヤー1』的なシステムを目指して、たとえば触感を手の甲から伝える独創的なハプティック・グローブ「DextrES」みたいなデバイスが作られ続けられるはずですよね。
人工皮膚にフィードバックさせる、というアイディア
そんな折、スイス連邦工科大学ローザンヌ校が伸縮性のある、触覚フィードバックする人工皮膚を開発している、とdesignboomが伝えています。
これにはシリコンと電極で構成されており、洗練された自己検知メカニズムが装着者の動きに瞬時に適応するとのこと。柔軟なセンサーとアクチュエーターが開発出来たため、人工皮膚に埋め込むことが可能になったのです。
いろいろ応用が利きそうな仕組み
触覚フィードバックは、空気圧と振動によりリアルタイムで感じることが出来、それは最大100インパルス/秒になるとのことです。そして小さな風船のような触覚フィードバック部分にある電極が、皮膚の変形を測定し、そのデータはマイクロコンピューターに送られるのだそうな。
研究者は、この技術をVRだけでなく医療用のリハビリなどに利用したいと考えています。見たところ、まだ指先にしか風船がないようですが…いずれは手指全体に無数の風船が配置され、細かなフィードバックが得られたら良さそう。
そしてこれの応用で、全身を覆うVRスーツなんかも作られたら面白そうです。VR世界で撃たれたり刺されたりすると、瞬時に風船がポコっと膨らんだりして、脳が錯覚してくれそうですよね。
Source: YouTube via designboom