プロ野球で唯一の400勝を達成するなど史上最高の左腕投手と呼ばれ、ロッテで監督も務めた金田正一さんが6日午前4時38分、急性胆管炎による敗血症のため東京都内の病院で死去した。86歳。愛知県出身。
元プロ野球選手・監督として活躍した金田正一さんの訃報を受け、家族ぐるみで親交のあった料亭萬松館(岐阜市)社長の五百木(いおき)太郎さん(81)は「びっくりして何も言えない」と言葉を詰まらせた。
五百木さんの妻千鶴子さん(81)の父は、金田さんをスカウトした旧国鉄スワローズ(現東京ヤクルトスワローズ)監督の故・西垣徳雄さん。西垣さんが1989年に亡くなる以前は毎年、正月は西垣さんの自宅で一緒に過ごしていたという。五百木さんは「金田さんはとてもおおらかな人。正月は毎年、義父(ちち)に会いに来て、お酒を飲んでいた」と振り返り、「最近は会えていなかった。びっくりして何も言えない」と肩を落とした。
五百木さんの次男で萬松館専務の健次(たけつぐ)さん(52)は、14年4月に五百木さんの依頼で岐阜ロータリークラブ例会に出席した金田さんを名古屋市まで車で送ったという。「小さいころから親交があり、自分の子のようにかわいがってくれた。すごく優しい人で、とてもショック」と惜しんだ。
健次さんによると、祖父の西垣さんはスカウトした金田さんを寮に入れず、自宅に住まわせていたといい「家族同然で、母とはきょうだいのようだったと思う」と話した。