韓国人は日本人の同胞だった
韓国がGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の破棄を決めたことで、朝鮮半島をめぐる対立は新たな局面を迎えた。これを海外メディアも報じているが、BBCの記事には大きな事実誤認がある。
第2次世界大戦では、アジア各地の数万人とも20万人ともいわれる女性が、日本軍向けの売春婦として連行された。「慰安婦」と呼ばれるこの女性たちの多くは朝鮮人だった。また日韓併合の後、多くの朝鮮人男性が日本軍に強制的に徴兵された。
慰安婦をめぐる誤りはありふれたものだが、「多くの朝鮮人が徴兵された」とは何を根拠にしているのか。朝鮮半島に徴兵制はなく、1944年4月に徴兵令が施行されたが、訓練中に終戦になったので一人も出征しなかった。
第二次大戦で日本兵として戦った24万2000人の朝鮮人兵士は、すべて志願兵だったのだ。その募集には、最大50倍の志願者が殺到した。当時の新聞は、その熱気を「兵役志願 三千名を突破す」などと伝えている。
朝鮮人志願兵制度実施が発表されるや半島同胞の間に一大センセイションを巻き起こし、十六日夜から十七日にかけて熱誠溢れる志願者がどつと繰出し京城憲兵隊、京城憲兵分隊、龍山憲兵分隊の受付は問合せの電話や志願者との応対でほかの仕事は全然手がつけられぬ有様だ。(『大阪朝日新聞』南鮮版1938年1月18日)
朝鮮人兵士のうち2万2000人が戦死し、その霊は靖国神社に祀られている。彼らの中には、陸軍士官学校や陸軍大学を卒業して、将校になった朝鮮人もいる。その代表が、陸士を出て満州国軍に勤務し、中尉まで昇進した朴正煕(朴槿恵元大統領の父)である。
大島渚のドキュメンタリー「忘れられた皇軍」は朝鮮人兵士の戦後を描いたものだが、こういう歴史は韓国では秘密である。それは韓国が「抗日戦争」に勝利して独立した戦勝国だという公式の歴史観と矛盾するからだ。
BBCは「日本はたびたび朝鮮半島に侵攻している」と書いているが、豊臣秀吉はともかく、日韓併合は侵攻の結果ではない。その朝鮮支配の実態も、大英帝国のインド支配のように苛酷なものではなかった。
それを何より示しているのが、これほど多くの朝鮮人が志願兵になったことだ。朝鮮人兵士は日本人と戦ったのではなく、日本人として戦ったのだ。韓国の「反日」は決して古いものではなく、戦後の軍事政権がその支配を「抗日戦争」で正当化するために植えつけた歴史観である。
日本の植民地支配はイギリスのような搾取ではなく、現地にインフラを建設する「同化政策」だったので、結果的には大幅な赤字だった。それは戦略的に賢明ではなかったが、日本と朝鮮が戦ったわけではない。日本人と韓国人は戦争の加害者と被害者ではなく、同胞だったのだ。
日本と韓国が対立することは当面避けられないだろうが、反日は歴史の必然ではなく、それほど根深い感情でもない。英米メディアの事実誤認は影響が大きいので、訂正しておく。
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