[マドリード/ヘルシンキ 3日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁と理事会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は3日、日本のようにインフレ期待が低いまま定着しないようECBは対処する必要があると主張した。
ECBは成長率とインフレ率の押し上げを目指し先月の理事会で一連の緩和策を決定した。ただ資産買い入れ再開などは理事会内で意見が分かれた。
デギンドス氏は「インフレ期待が低下し、物価が下落し、名目金利のゼロ制約に突き当たるという負のサイクルにはまり、抜け出すことが困難になることがあり得ることを日本の経験から学んだ」と述べた。
レーン氏も「長期間の低インフレとゼロ金利から生じる有害な均衡状態を避けるよう注意する必要がある。景気変動をならすための金融政策の能力が大幅に低下するからだ」と指摘した。
「そうなれば長期にわたって経済成長が潜在成長率を下回り、雇用支援の取り組みがそこなわれる」と述べ、日本の状況に言及した。
デギンドス氏は対策の一つとして、相当な規模で迅速に使える財政上の仕組みをユーロ圏に創設し、景気押し上げで実質的な役割を持たせることが考えられるとの見解を示した。
こうした仕組みは各国政府の政策の妨げにならないとし、ユーロ圏の安定に焦点を当てることで加盟国の財政目標に影響しないようにできると述べた。