米国や国連で今なお
旧日本軍は組織的に女性たちを強制連行した」と主張する側にとっては、
まさに「不都合な真実」である。

 

その決定的な証拠とは米国政府によるドイツと日本の戦争犯罪に関する
「大規模調査の結果 IWG報告」 である。
IWG報告は米国ワシントンにある【国立公文書館】に保存されている。

 

この大規模調査結果は
「ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班(IWG)
アメリカ議会宛最終報告」というタイトルで、2007年4月に公表された。

 

結論を先に述べると、次のようなことが明らかになった。

 

米国政府の核関連省庁や軍部は7年がかりの大規模な調査を実地し、
(旧日本軍のページだけで14万2千ページにも及ぶ)

 

「旧日本軍の慰安婦に関する戦争犯罪や女性の組織的な奴隷化に関連する文書」を

探し出そうとした。しかし、その種の主張を裏付ける政府や軍の文書は
只の1点も、(慰安婦の1行も)発見されなかったのである。

これほど明確な証拠もないだろう。

 

米国の慰安婦問題糾弾勢力がこの証拠の存在について沈黙を保つはずである。
むしろ、この公開の資料に会えて言及せず、その存在を隠してきた気配さえある。

だからこそ慰安婦問題の核心に触れるこの調査結果が
10年も前に公表されながら、それまでの議論の過程では
話題にもならなかったのだと言える。

調査対象はドイツと日本の戦争犯罪では、何故それが今脚光を浴びるのか?

 

慰安婦問題との関連で、このIWG報告の存在や意味を最近になって
世に知らしめたのは、米国な著名な軍事ジャーナリストの
マイケル・ヨン氏を中心とする調査班である。

念のために改めて簡単に紹介しておこう。


ヨン氏はフリーの記者として2003年から、米軍のイラク介入の前線に長期滞在し、
迫真の報道と論評で声価を上げた。
2008年ごろからは、アフガニスタンでも同様に活動し、
米国内で知名度をさらに高めた。

ヨン氏のレポートは、
「ウォールストリート・ジャーナル」(WSJ)
「ニューヨーク・タイムズ」(NT)や多数の雑誌に掲載され
大手テレビ局でも放映された。

『イラクの真実の時』という著書は
全米ベストセラーとなり話題を集めた。

それほど著名なジャーナリストが、日本の慰安婦問題の調査・取材に本格的に
取り組み、米欧大手メディアの

【日本軍が組織的に女性を強制連行して性的奴隷にした】という主張は作り話だ。
と、明確に主張するのだ。

 

そして、
【従軍慰安婦問題での日本糾弾は特定の政治勢力による日本叩きだ】
とまで断言する。

 

ヨン氏の主張の有力な根拠との1つとなったのが、このIWG報告である。
IWG報告の基礎となる調査自体は2000年に始まった。
この調査は、クリントン政権時代に成立した、
【1998年ナチス戦争犯罪開示法】と【2000年、日本帝国政府開示法】という
2つの法律に基づき行われた。
目的は第二次世界大戦での戦争犯罪の情報開示を徹底させることにあった。

調査は
国防総省、
国務省、
中央情報局(CIA)
連邦捜査局(FBI)
国家安全保障局、
米軍当局など戦争に関わった全ての主要組織に未公開の公式文書を改めて点検し、
ドイツと日本の戦争犯罪に関する書類を発見して公開することを指示していた。
本来はドイツを主対象とした調査だったが、あとから日本も含まれた。

 

その過程では在米の中国系政治組織である
【世界抗日戦争史実維護連合会】以下、(抗日連合会)
が動き、日本も調査の対象に含める事を米国の政府や議会に強く
要請した事が明らかとなっている。

 

7年がかりの調査でも文書は見つからず、7年もの歳月をかけたこの調査には
連邦政府の資金3000万ドル(日本円で約33億円)が投入された。

膨大且つ詳細な調査結果は議会宛の、IWG最終報告として纏められた。
約160ページに上る最終報告によると、調査対象となった未公開や
秘密の公式文書はなんと、総計850万ページに及び、
そのうち日本の戦争犯罪に関わる文書は、14万2千ページだったと言う。

 

日本に関する文書の調査対象は、
捕虜虐待、
民間人殺傷、
科学・細菌兵器、
そして慰安婦問題など5項目だった。
それらの案件に関する文書が見つかった場合は全て報告する事が求められた。
対象となった記録の期間は、1931年から1945年迄である。

対象範囲も対象期間も実に大規模な戦争犯罪再調査だった。

 

従軍慰安婦問題については、調査開始時点で以下のような指示が出ていた。
【いわゆる従軍慰安婦プログラム=日本軍統治地域女性の
 性的目的の為の組織的奴隷化】

に、少しでも触れる文書が見つかれば、その内容を精査して報告し、
公表するという指示である。

 

しかし、7年近くの歳月と3000万ドルの連邦政府資金、
米国政府関連諸機関の全精力を投入しても従軍慰安婦関連の文書は
1ページ、1行も出てこず発見できなかった。

 

同報告では、発見された文書の代表例として、戦時中の日本の官憲による
捕虜虐待や、民間人殺傷の報告が数十件列記されていた。

 

だが、日本とドイツの戦争行動についての850万ページ米側公式記録
さらには、日本の戦争犯罪に関わる14万2千ページの米側公式記録の中に、
従軍慰安婦に触れた記述は1ページ、1行もなかった。

  当時の給料明細書

慰安婦問題に関する犯罪性や強制性に触れた資料は1点もなかったのだ。

 

ヨン氏の言を待つまでもなく、日本側にとってこの、IWG報告の効用が
限りなく巨大である事は言うまでもない。

 

日本の政府も民間も、自国と自国民への冤罪を晴らすために
今後はIWG報告を大きな武器として対外発信を
積極的に開始するべきであろう。