収容外国人75%が送還拒否法相「長期化の要因」と対策急ぐ|信濃毎日新聞[信毎Web]
入管施設で餓死 人権軽視ひずみあらわに
外国人の人権と尊厳を軽視する収容政策のひずみをあらためて浮き彫りにする事態だ。
入管施設での長期の収容に抗議し、ハンガーストライキを続けたナイジェリア人が餓死していたことが分かった。
出入国在留管理庁が調査報告書を公表した。職員の説得に応じようとせず、治療を強制することも困難だったとして、施設側の対応は「不相当だったとは言えない」と結論づけている。
長崎の入管施設に収容されていた40代の男性である。ハンストは5月末から1カ月近くに及び、衰弱して餓死した。報告書の結論を言葉通り受け取るわけにはいかない。本人をそこまで追い込んだ入管行政と収容のあり方こそが問われなければならない。
男性は窃盗などで服役し、仮釈放された後、国外退去を命じられた。離婚した日本人の元妻との間に子どもがいるため帰国はできないと訴えて送還を拒み、収容は3年半を超えていた。
入管施設から出る「仮放免」を求めていたが、報告書は、男性がかつて薬物事件で有罪になったことにも触れ、許可できなかったとした。悪質で常習性があることを理由に挙げている。
既に刑罰を受けているにもかかわらず、また犯罪を起こす恐れがあるからと予防的に拘束するのは重大な人権侵害である。不当な拘束を受けない人身の自由は、あらゆる人に保障されなければならない基本的人権だ。
近年、入管当局が非正規滞在者への対策を厳格化したことに伴って収容は長期化した。全国の収容者の半数以上が6カ月を超え、3年以上に及ぶ人も少なくない。
抗議のハンストは各地で起き、自殺や未遂も相次ぐ。職員から暴言や暴力を受けた、反抗的な態度を見せたら監禁された、といった訴えも絶えない。
収容期間には上限の定めがなく、裁判所による審査もない。当事者が異議申し立てをすることもできない。入管当局の裁量に全てが委ねられているに等しい。
収容の長期化について、報告書は送還の促進で解決すべきだとしたが、勝手な言い分だ。長期収容者の多くは、退去できない事情がある。妻や子を置き去りにできない人も、日本で生まれ育ち、帰るべき国がない人もいる。
それを顧みずに送還を強いれば、さらに人権を損なう。収容の実態を監視する仕組みを設けるとともに、入管行政のあり方を根本から見直すことが欠かせない。
(10月3日)
入管施設での長期の収容に抗議し、ハンガーストライキを続けたナイジェリア人が餓死していたことが分かった。
出入国在留管理庁が調査報告書を公表した。職員の説得に応じようとせず、治療を強制することも困難だったとして、施設側の対応は「不相当だったとは言えない」と結論づけている。
長崎の入管施設に収容されていた40代の男性である。ハンストは5月末から1カ月近くに及び、衰弱して餓死した。報告書の結論を言葉通り受け取るわけにはいかない。本人をそこまで追い込んだ入管行政と収容のあり方こそが問われなければならない。
男性は窃盗などで服役し、仮釈放された後、国外退去を命じられた。離婚した日本人の元妻との間に子どもがいるため帰国はできないと訴えて送還を拒み、収容は3年半を超えていた。
入管施設から出る「仮放免」を求めていたが、報告書は、男性がかつて薬物事件で有罪になったことにも触れ、許可できなかったとした。悪質で常習性があることを理由に挙げている。
既に刑罰を受けているにもかかわらず、また犯罪を起こす恐れがあるからと予防的に拘束するのは重大な人権侵害である。不当な拘束を受けない人身の自由は、あらゆる人に保障されなければならない基本的人権だ。
近年、入管当局が非正規滞在者への対策を厳格化したことに伴って収容は長期化した。全国の収容者の半数以上が6カ月を超え、3年以上に及ぶ人も少なくない。
抗議のハンストは各地で起き、自殺や未遂も相次ぐ。職員から暴言や暴力を受けた、反抗的な態度を見せたら監禁された、といった訴えも絶えない。
収容期間には上限の定めがなく、裁判所による審査もない。当事者が異議申し立てをすることもできない。入管当局の裁量に全てが委ねられているに等しい。
収容の長期化について、報告書は送還の促進で解決すべきだとしたが、勝手な言い分だ。長期収容者の多くは、退去できない事情がある。妻や子を置き去りにできない人も、日本で生まれ育ち、帰るべき国がない人もいる。
それを顧みずに送還を強いれば、さらに人権を損なう。収容の実態を監視する仕組みを設けるとともに、入管行政のあり方を根本から見直すことが欠かせない。
(10月3日)
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