1970年創業の「ドライブイン数河」(岐阜県飛騨市古川町数河)が、10月14日に閉店することになった。国道41号のオアシス的存在としてドライバーらに親しまれたが、交通網が整備され、観光客の流れが変わって利用客が減り、近年は売り上げが落ち込んでいた。運営会社の佐藤兵衛商事(同所)は閉店後、数河地区での宿泊業やレジャー事業に注力する。
同ドライブインは、富山県五箇山地区の古民家から譲り受けた茅葺(かやぶ)き屋根がトレードマーク。土産物や地元産の野菜、数河産の飛騨牛ブランド「山勇牛」など400種以上の商品を扱うほか、手打ちそばなどを提供するレストランもある。駐車場の収容台数は約100台。
国道41号を通る県内外の観光客を斬新な事業でもてなしてきた。利用客数のピークだった昭和40~50年代にかけて、集落に伝わる獅子舞「数河獅子」の芸能会館、はく製博物館やアーチェリー場などを展開。遊園地のようなにぎわいを見せた。
しかし東海北陸自動車道の開通や国道360号の整備に伴い、北陸方面との往来が徐々に減少していった。現在の年間の売り上げは、ピーク時の5分の1以下ほどにまで落ち込んでいるという。
閉店を決めた同社は、ホームページ上に「閉店のお知らせ」を掲載している。3代目社長の山村悟史さん(50)は「生まれた時から親しんできたドライブインを閉めるのは、苦渋の決断だった」と悔しさをにじませる。その上で「今後も集落を盛り上げる事業を続ける。新しい風を吹かせたい」と話す。同ドライブイン併設の旅館「修徒館」の運営は続け、宴会や仕出しも従来通り対応する。
10月14日の閉店後は、同ドライブインの駐車場を閉鎖し、自動販売機も利用できなくなる。